【コラム】教育相談を終えて<後半>(高橋歩美)
教育相談を終えて。(後半)
教育相談のアンケート実施中です。過去に受けたことがある方ご協力お願いします。
https://forms.gle/42wxbKq88kKDdSGx7
はじめに。我が子は支援学校判定が出ました。今治市では、判定に限らず最終決定は保護者がすることとなっています。
現在、地域の小学校か特別支援学校への進学か悩んでいる真っ最中です。
9月頭、教育相談の判定結果が返ってきました。思っていた通りの支援学校判定でした。それはいいとして、問題は書類の内容でした。
これだけでした。
え?てなりませんか?今後について詳しい記載がないのです。
では、この判定とは違う進路を選びたい私のような保護者はこれからいつまでに、どこに連絡をすれば良いのでしょうか?
私の周りには先輩ママがたくさんいて、昨年、支援学校判定で地域を選んだ方から話を聞いていたから、この先のある程度の流れを知っていました。
でも何も知らない人はどうしたらいいのでしょう?市内で支援学校判定が出て支援学級を選びたいと思われる方なんてなかなかそういないため、探して経験談を聞くことは難しく、さらに個人情報の関係から園や施設などに聞いても繋がる可能性は非常に低いのです。
さらに我が子のことをカミングアウトしている人ばかりではありません。
だからこそ、この教育委員会からの連絡は非常に重要になってくると私は思っています。ただでさえ不安な上に、こんなにも不親切であっては、「最終判断は保護者の自由」という言葉だけで、最近問題となっている国連の勧告と同じで、制度はあっても実際は違うという状況と同じであるように思いました。
一連の国連の問題はこちらをチェック↓
https://nordot.app/937182926907359232?c=899922300288598016
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_631bf906e4b082746bdfe371
https://news.yahoo.co.jp/articles/33eb27b2a65df66790155473c6a0b53bcf8882e5
判定が出た後、進学予定先の地域の小学校へ電話をしました。
我が家の場合は正直まだ迷っている段階であること、相談を重ねて12月までに決定したいが、これからどのようにしていけば良いかコーディネーターの先生に尋ねました。
すると「あの場(教育相談)に自分もいたのでお母さんの気持ちはわかります。これから一緒に悩んで決めて行きましょう」という言葉をもらえて正直ほっとしました。そしてまずは教育委員会にその旨を伝えるよう言われ、今度は教育委員会に電話をしました。
すると、11月に就学前の健康診断が進学予定先の学校であるので、そこで相談をしてくださいと言われました。私は姉二人の経験があったので、あの場で相談するの?と疑問があったのと、12月が最終決定なのに11月に話し始めるのでは遅すぎるのではないかと尋ねると、再度調べますと。
結果、進学先の学校に連絡をしてくださいと言われました。
昨年度まで今治市では支援学校判定が出て、かつ情緒学級対象児であれば支援員が付くことになっていたのが、今年度から知的学級でも情緒学級でも支援員が配置できるよう改訂されました。(←これめちゃ大事です!!)
これを受け、この学級については誰がいつ頃決めるのかについて質問もさせていただきましたが、それはこれから学校と相談になると言われました。
ここでやっと私の見通しが持てましたが、ふと「あれ?あの夏の教育相談は一体何だったのだろう」と思いました。
市の教育相談の後、県の教育センターで同じように1時間程度息子を遊ばせながら相談をしたことがありました。
その時は生育状況や発達検査のスコアなどこれまでの経緯と家族の意向を踏まえた上で、目の前の息子の特性や遊び方から、知的学級で知的の教育課程を取るほうがいいのではないかと具体的なアドバイスや、支援学校と支援学級それぞれを選んだ場合に必要な支援やメリット、デメリットなどについて専門的なアドバイスをいただけて、相談に行って本当に良かったと思いました。
この二つの相談を比較して、今治市の教育相談の時は療育施設、幼稚園、進学先、支援学校の先生方や発達支支援センターの方など多くの関係の方は揃っていましたが、内容や環境はと考えると、進学先の先生と今後について具体的に話すこともなく、息子の特性に対してどんな支援が必要でどのような対応がそれぞれにできるのかなど前向きな話はこちらから質問する以外にはなく、ただ調書に書かれたことについて聞かれ、前半のコラムで書いたような内容の40分でした。
アンケートにご協力いただいた中にも何名かから同じ言葉がありましたが、私もこの今治市の教育相談に意味があるのかと思いました。
参加してみて不安がなくなるどころか、もやもやしか残らなかったからです。子どもを連れて島しょ部から参加している方もいます。幼稚園や施設の先生もわざわざ集まっています。
ならばもっとあの場でゆっくりと踏み込んだ話をしておけば、判定結果が出た後も保護者が戸惑うことなく動けるのではないかと思いました。環境も整っていないあの場所に形式的に集まり、事前調書でわかるような内容を聞くだけで、スコアで単純に振り分けるなら、わざわざ集まる必要はないと思いました。
また隣接する市町では、支援学校判定であっても、保護者が地域を選んだ際の学級まで話し合って決めているところもあるそうです。せっかく集まるのであれば、どの立場の人にとっても時間が有益なものになってほしいと思いました。そして何より、ここに来た保護者と子どもの悩みが少しでも解決できるような時間にしてほしいと心から思いました。そういった本当の意味での相談になることを期待して参加している方がほとんどではないでしょうか。
これから短い時間で幼稚園や療育施設など関わる方と調整をし、息子の進学について今度は進学先の先生と相談する時間を作っていく予定ですが、本来はそれが夏の教育相談の時にできること、もしくは教育相談までにその時間を重ねることが望ましいのではないかと思います。
私は教育相談までに昨年から何度か特別支援学校にも小学校に連絡はして相談を持ち掛けました。
支援学校では何度か相談に乗ってもらい具体的にアドバイスをいただけましたが、地域の小学校では話は聞いてくれても「教育相談が終わってから」と頑なに時期を制限され具体的な話に進まなかったのが事実でした。
何のために教育相談をするのかを考え直す必要もあるのでは?と私は思いました。あの短い時間ではかりきれない、そう思われるなら一人の持ち時間を長くするか、理解度が測れるような課題を用意する、環境設定にするなどもっと専門的にやりようは色々あったと思うのです。
あの場で当の息子を見ずに、「人数が多いから」とか、「(支援級は)繊細な子が多いから」と、初めから準備されたような「(支援級に)できないであろう理由」を並べるだけの場であるなら必要ないと私は感じました。
現時点でのアンケートを見させていただくと親身になって相談に乗ってもらえたという方ももちろんいます。だから一概に悪いとは言えないと思います。立場や受けた状況によって違うのです。
私はもう「小学校1年生として入学する息子の母として」あの夏の教育相談を受けることはありません。
おそらく皆さん同じで、思うことはあっても、次にやらねばならないことも控えてきて振り返る暇がないと思いますし、振り返っても我が子には何のメリットもないから今まで誰も声を上げなかったのではないかと思います。
でも、このままでいいのかなと私は思いました。私は判定が全てでないことを聞いて知っていたから動けます。でもそれすら知らない親御さんは絶対にいます。
良かったら教育相談のアンケートにご協力をお願いします。得たご意見からどうやったら良くなるのかを「ちあふる」の一同で考えていけたらと思っています。もちろん一緒に考えてくれる方も募集中です。
人間、悩んだり困ったりした時は一人で考えてもうまくいかないことが多いです。
でも誰かと繋がりさえしておけば、良いことも悪いことも助言をもらっていける。相手が例えヤスリのようであっても、あなたは磨かれダイヤのように光り輝き、相手はすり減っていくのです。
私にできることは自分と家族の選択に責任を持つこと。支援者にできることはありとあらゆる可能性を考慮しながら、それぞれの立場から専門性を持って家族に寄り添うこと。お互いがしっかり責任を果たせるようなそんな仕組み作りが必要であると、身をもって感じた夏でした。
過去の教育相談についてのコラムはこちら
【コラム】教育相談(就学相談)をご存知ですか?(2021.7月)
https://miton-imabari.jp/column-tayumi2021-8/
【コラム】教育相談を終えて<前半>(2022.9)
https://miton-imabari.jp/column-tayumi2022-8/
良かったらご協力お願いします。
こちらのアンケートで個人が特定されることはありません。
アンケート結果はこちらで公開予定です。
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高橋歩美