多彩な攻撃を可能にする常に前を向く長身FW飯泉涼矢選手。
常に前を向き足を出す期待の長身FW。
いよいよ大詰め新加入選手9人目の紹介は、早稲田からやってきた背番号29番FW飯泉涼矢選手です。
22歳にして確固たる信念を持つ彼の意外な素顔が垣間見えるインタビューでした。
並々ならぬサッカーにかける情熱と、少し変わった性格が少しでも伝わる内容になればと思っております。
今治に来るまで。
小学生からサッカーを始めたと話す飯泉選手。
東京で生まれ育ち、大学も早稲田位大学へ進学。
(早稲田大学ア式蹴球部公式サイトより)
どうやら生粋の都会っ子のようです。
高校時代には三菱養和SCユースというチームに所属しており、このチーム名にピンと来た方もかなりのFC今治通だと言っていいでしょう。
この三菱養和SCユース出身にはFC今治背番号13番玉城峻吾選手が在籍していたチームです。
大学4年になっても、周りが就職活動に奔走する中、飯泉選手は就活せずにサッカーを続ける覚悟を決めていたようです。
そんな彼の今治までの道のりを少しご紹介します。
加入のきっかけ。
「FC今治という存在はサッカーしてる人ならだいたい知ってるはずです。岡田さんも吉武さんもいますし。」と話すように、やはりサッカー界から注目を浴びるチーム。
飯泉選手も同じように存在は知っていて、サッカーを続ける環境としては最高なんじゃないかと考えるように。
「とにかく注目度のあるチームで、J3へ昇格し、Jの舞台でプレイすることで、新しい歴史の一員になることに魅力を感じ始めました。」と話し、今治に行きたいと考えるようになったと言います。
周りからは、飯泉選手が持つ特徴とスタイルがあまりにもかけ離れていて、「今治で大丈夫か?」という声も聞こえたが、飯泉選手が考えたことはまるで逆。
「どこに行っても自分の強みを出せるかどうかが大事で、これからのサッカー人生を考えると、どんなチームに行っても実力を発揮出来ることが大事だと思います、それでさらに自分にないスタイルを獲得すると自分の幅も広がるので、スタイルが真逆とかいうのは来ない理由にならなかった。」とその決意に至った経緯を話してくれました。
ただ、他の選手との大きな違いは、練習参加をせずに入団を決めたということ。
さらに、プレイに関しても自分の映像を送っただけだと言います。
それを見たGM高司さんは、すぐに声をかけてくれて、数日後には契約の用意まですぐにしてくれた動きに対して、
「自分のためにここまでしてくれる人がいるんなら、このチームでやってみたい。」
(方針発表会時の飯泉選手)
とさらに加入への気持ちが大きくなり、他のJチームからの曖昧だった状態も解消し、今治に加入することが決定しました。
今治の印象。
いざ加入してみると、やはり戸惑う部分も多いらしく、
「今まで感覚でやってきたことを言語化して戦略にしているという感じです。なので、逆にわからなくなって混乱して考えすぎてしまうこともあります。今までずっと自由にしていたことが多かったので、決め事が出てくることの難しさは感じてます。」
また、自身のスキルを「まだまだ」と話す飯泉選手は、
「今治って技巧派というか技術レベルの高い人が多くて、その部分ではまだまだ差を感じます。」と冷静に分析していました。
また、
「大学ってずっと高強度の連続で、ドン→休み→ドンみたいな感じだったんですけど、今治はずっと動き続けるシャトルランのような感じの違いがあります。」と独特の言い回しで表現し、「違う体の使い方をしている」と話してくれました。
初めて地方にやって生活をする飯泉選手は、「田舎が好き」なんだそうです。
「ぼくおじいちゃんとかおばあちゃんとかと話すの好きですし、自然も好きです。まだ短いですけど、あったかい人も多いので過ごしやすいです。」と話した飯泉選手は現在、背番号26番西埜植選手と同棲中(シェアハウスという意味です)。
「なんとなくいいバランスで、楽しく生活してます。ぼく車も免許もないので、助けてもらってます。」と、東京人あるあるを明かしてくれました。
今シーズンの抱負。
「加入が決まり、入団する前から1番近い目標は、まずは開幕スタメンでゴールを決めることです。ファーストゴールをホーム今治で決めたいですね。」と加入前からのイメージを話し、
「2つのステージで合わせて10得点以上が目標です。その目標を逆算すると、15〜20試合以上は出場することが必要で、そうなるとさらに怪我をしないことが目標になります。」
「正直得点王とかも狙いたいですけど、目標として掲げるにはちょっと大きいですかね。」
現用を冷静に分析し、自分の目標へのアプローチはすでに描けているようです。
また、「ぼくは人が多ければ多いほど頑張れるんです」と話し、満員のホームでの出場を力に変える準備はすでに整っているようです。
最後に、
「ぼくは技術的には他の選手に劣るかもしれないですけど、誰よりも頑張って、誰よりも泥臭く前を向いてプレイでします。」と力強く話してくれました。
実はこの日も練習中に納得のいかないことがあり、熱くなったシーンもありました。
見た目とゆっくりとした話し方とは大きく異なり、誰よりも熱く足をかく選手です。
ややもすると、テクニック抜群の選手が多いと足元の技術だけに目が行き、相手との競り合い、ルーズボールの瞬時の一歩目がおろそかになることもあるかもしれません。
無駄かもしれないことをやらずに、かしこく体力温存することもあるかもしれません。
ただ、おそらくこの飯泉選手にこれらの思考はないと思います。
あえて自分のスタイルとは離れたチームを選び、自分の可能性を信じた男。
22歳という年齢では計れない奥深さがピッチ上で表現されるはずです。
新しい歴史を作る一員として目が離せません。
(この日少し足を打って痛そうにしていたのに笑顔で要望を聞いていただきました。)
第四弾「名門から今治へ。そして海外を目指すFW片井巧選手。」
第六弾「チーム随一の頭脳を持つハードワーカーDF西埜植颯斗選手。」