【コラム】子どもの自由(高橋歩美)
お久しぶりです!
忙しすぎて記事が書けずにいました。すみません。季節はすっかり夏。先日保護者会のちあふるでは華道の体験会を実施しました。
未満児さんから小学校3年生までのお子さんが保護者と参加しました。
誰一人水をひっくり返さず、お花を大事に活けていて、私がびっくりしました。
素敵な作品の一部をおすそ分けです。
さて、怒涛の1学期を終え、夏休み。教育相談の時期がやってきました。
何を話そう、どんなことを伝えたら?限られた時間を有効に使えるのか。色々考えながら過ごしています。
そんな中6月26日(日)に愛媛大学で行われたこちらの講演会に参加してきました。
講師は「みんなの学校」の著者であり、初代大空小学校校長の木村泰子先生。
軽快、だけど心に響く暑い言葉を聞き、色々思いを巡らせていました。
泰子先生の言葉に
“学校はあるものではなくつくるもの。子どもが自分の学校を自分がつくる。サポーター(保護者)が自分の子どもの学校を自分がつくる。地域の人が、地域の宝が学ぶ地域の学校を自分がつくる。教職員が自分の働く学校を自分がつくる。”
“先生たち「熱心な無理解者」になっていませんか!”
“特別支援教育は「環境」をつくる。「障がい」のある子どもの個別指導ではなく「子どもと子どもをつなぐ」。周りの子どもが育つ。すべての子どもが育つ事実がある”
講演中何度も涙がこぼれました。これを読んで同じ思いになられた方がいたとしたら嬉しいです。
こんな学校があれば素敵なんです。
でも、たった一人、例えば校長一人の力だけでは実現不可能ですよね。協力がいるんです。
でも、協力さえあれば可能になるものなのです。可能にした学校が実際にあるんですから。
何事もそうですが、無理だと決めつけるのは私たちの感覚と知覚です。
凝り固められた自分たちの感覚。講演の中でも話されていましたが、学校を「スーツケース」ではなく「風呂敷」で捉えること。
はみ出してたっていいんです。そして、「障がい」という言葉で勝手な括りを設けているのは、実は当事者ではなく周りだと私は思います。
近いうちに「みんなの学校」の上映を今治市で行って、色んな方に考える機会になってもらいたいとそう思っています。
私は日々、息子の様子を見ては一喜一憂しています。
小学校の参観日に連れて行ってみたらエレベーターに興奮して奇声を上げて見学どころでなかったり、そうかと思えば園の行事で20分以上みんなと一緒に整列して踊ったり。
そんな未知数の様子から約半年後の入学を決めるのは正直親にも難しいし、先生たちだって決められないことですよね。
でも決めなけらばならないんですよね。「あなたはどっちに行けば幸せになるの?」って。
結局、「何を優先するか」によって変わるのですが、
私は、人とのつながりを一番大事にしていきたいと思っています。でもそのためには理解者と協力者が必要不可欠なのです。
息子一人、家族だけでは現実問題難しい。
「熱心な無理解者」ではなく、合理的配慮と称して、合理的に排除されることでもなく、子どもと子どもをただ繋ぐ。
そんな支援者に巡り合うこと。幼稚園生活の中でできていたことを小学校生活でもすればいいだけ。それだけのはずがこのハードルが異常に高く感じるのはなぜだろうといつも思います。
誰かが助けてくれることだけを夢に見ていても何も始まらない。自分たちにできることを模索しながらこの子と生きる。その答えが未だに「どこ」にあるのかは正直わかりません。。
今、不登校、自分の命を殺める数も過去最多です。
その背景にあるものは、何だと思いますか?
子どもたちの「自由」は、私たちが子ども時代に経験したものよりはるかに制限がかけられています。どうしてこんな世の中になったのか。
私は障がいの話以前に、子どもたちの自由について考えていく必要があると思っています。
だから学校が全てではないとも考えています。教育の基盤は家庭である。ただ、不特定多数の色んな考えの人間が集まる学校というコミュニティである学校は、それはそれで魅力的なコミュニティだと思っています。
さて、少し暗い感じに受け取られてしまったかもしれませんが、だからって悲観したって暗くなったって何にも良くなりませんね。
ご機嫌は責任。
自分にできることは自分をご機嫌にすることです。
夏休みが始まります。できることをできる人たちがすればきっと道は拓けると私は思っています。
みんなの学校の上映も一緒にご協力いただける方がいたら連絡ください。諦めず何年か計画で進めていきたいなと思ってます。
就学相談に参加される皆さん、せっかくのお子さんの将来を考える時間。素敵な話し合いの時間になるように楽しんでいきましょうね。
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高橋歩美