【コラム】助け合ってできること(高橋歩美)
助け合ってできること。
ペアレント・メンターという言葉をご存知ですか?
「親による親のための相談者」のことで、問題解決の専門家ではありませんが、発達障がいのある子どもを育てた経験のある親が、同じ親の立場で話を聞き、悩みを聞いたり、情報提供を行ったりすることです。
愛媛県では、2017年に愛媛大学医学部子育て研究会を中心にペアレント・メンターえひめを設置し、18年からは県などと連携し、ペアレント・メンターcaféを県内各地で定期的に開催しています。
今治市での開催は既に終了してしまいましたが、昨年の10月に玉川で行われました。今年度は残すところあと数回となりましたが、各地で開催されていること、zoomとリアルの同時開催が行えることにより、地元での相談に不安がある方も近隣の市町で開催される会に参加できるというメリットもあります。
コロナによりリアル開催が難しくなった反面、オンライン開催により、遠方からの参加を可能にし、移動時間の短縮にも役立っている部分に関して言えば、私はいい効果があったのでは、と感じたりもしています。
また、2月12日には伯方で凸凹Caféも開催されますので、興味がある方は是非参加してみてください。
今年度ペアレント・メンターえひめは、第55回南海放送賞にも選ばれました。
「南海放送賞」とは、福祉活動や社会貢献活動において、特に著しい業績をあげられた個人・団体や身体障がい等を克服して自立に努め、社会活動に積極的に参加している人などを表彰するものです。今年度は3団体・1個人が選ばれました。(詳しくはこちら→https://www.rnb.co.jp/press/node/012584.php)
私がメンターの活動を知ったのは2年前。でも、その頃は自分の悩みに手いっぱいで相談したい思いもありましたが、なかなか時間がなく参加できずでした。
それからも都合が合わず、相談者として参加をすることはありませんでした。今は、子どもも大きくなり相談者としてではなく、メンターとして誰かの役に立てたらなぁと思う余裕が出てきました。
コロナ禍で昨年度はなかったようですが、メンター養成講座などもあるようなので、機会があれば私も受けてみたいと思っています。そして、来年度からこのメンター事業は県の事業から各市町の事業へと切り替わります。
今治市ではどのような形で継続されていくのか、気になるところではありますが、せっかくの素敵な事業です。このまま引き継がれていって欲しいし、これを発展させて素敵なものになってほしいなと思います。
これに限らず、私たちはもっと親同士で、ご近所で、地域で、自分たちで助け合っていけることってあるのではないかと思うようになりました。実は、そう思い始めたのはこのコラムを書きだした3年前くらいからですが、実際は私も何もできずに情報発信のみを行っていました。
しかし、同じように悩みながらも、希望を持っている保護者の方々や人々に出逢う機会が増えると同時に、一人ではどうすることにもできない悩みを抱えている方にも多く出逢うようになり、誰かが何かをしてくれるのを待つだけで本当にいいのかと思うようになりました。
それが以前みとん今治内で行ったアンケ―トでした。
たくさんの意見をいただき、まとめたものを、幼稚園、福祉施設、発達支援センターの方など様々な場所に紹介させてもらいました。その中で、どれも確かに今治市で課題であることだと言われましたが、このアンケートだけでは漠然としていて課題解決に向けて具体的にどうしたいのかにまではならないと。
なるほど。
大きくすぐに変えることが難しいなら、小さくできることは何かを考えた時に、保護者会を作ろう、そう思うようになり、11月に保護者会「ちあふる」を立ち上げました。
NPOでも何でもありません。ただ保護者会です。何の効力もありません(笑)
それでも同じように悩む方の相談に乗ったり、情報提供をしたりすることくらいはできると思っています。
できたばかりで何も功績もないですが、何をしていくかなどもこれから話し合って行けたらと考えています。逆にこんなことをしてほしい、してみたい方がいたら気軽に連絡いただけたらと思います。
この会を作るに当たり、私が大切にしていることは「夢」です。
「あり得ない」というのは良く聞きますが、それは誰かの頭の中で作り出した基準で。あり得ないことは考え方一つで実現するものだと私は思っています。
発想の転換。
できない理由は何なのかを考え、逆にできるようにするためにはどうすればいいかを考える。それを私たちは小さいころから学校教育で学んできたはずで、それをやってのけるのが本来私たち大人が子どもたちに見せる姿ではないかと思っています。
私は、自分が生き生きと楽しく生きていたいし、諦める姿を子どもたちに見せたくない。そして今、一緒に活動してくれている親御さんたちを本当に尊敬しています。皆さん、本当に一生懸命子育てをしながら自分と家族と我が子の将来を考えています。
制度という壁、無知という壁、壁という壁にぶち当たり、八方塞がりな中でも、なんとかしようと思っている方がいるから、私も頑張ろうと思えました。だからこそ、発達障がいに限らず子育てをする親御さんたちの未来が明るくなるように、雇用を生み出す方法を考えたり、今よりもっと楽しくなるようなことを一緒に考えたりする機会を作れたらと思っています。
うまくいかないかもしれないし、何にもできず終るかもしれません。
が、そうなったらその時また考えましょう。
ということで少しでも興味がある方、一緒に話をしてみたい方は是非連絡をいただけたらと思います。
で、早速ですが、今回は簡単なアンケートを行います。
来年小学校入学の親御さんへ質問です。お子さんの放課後の預け先は見つかりましたか?
お仕事をされている方、されていない方で必要な日数は違ってくると思いますが、放課後等ディサービスだけでなく、学童に預けるという方で、まだ預け先が確保できていない方をちらほら聞きます。
実は、私も再来年度入学予定ですが、見通しは全く立っておらず、週5の預け先が見つからなかった場合、今の仕事を辞めざるを得ない状況になっています。(恐怖でしかない。)
同じような方、現段階でどれほどいらっしゃるのか知りたいなと思い、思い付きアンケートを行います。
良かったらご協力ください。結果は1月末くらいに公表予定です。
「放課後の預け先見つかってますか?アンケート」(3問のみの簡単なものです)
https://docs.google.com/forms/d/1KpPSGHn5f0A8oLglWqiM0psuCI2lF7Wx44nUUzPu7Ys/edit?usp=sharing
「【コラム】一息ついて、立ち止まって、周りを見ると見えてくるもの。」
「【コラム】場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)“話したいのに話せない”」
「【コラム】超低出生体重児の育児。できることは少しずつでいい、もう焦らない。」
「【コラム】教育相談(就学相談)をご存知ですか?(高橋歩美)」
高橋歩美