FC今治、吉武監督からバトンを。新たに工藤新監督体制へ。
衝撃の監督交代劇。
サッカー界に激震が走った昨日。
岡田メソッドの中核を担う吉武博文監督が昨日退任されると発表されました。
まさに青天の霹靂と言って良いタイミングでの発表で、ファンのみなさんの動揺も想像に難くありませんでした。
その中で、新たに監督に就任したのは、トップチームのコーチを務めていた工藤直人新監督です。
本日記者会見が開催され、経緯などを説明いただきました。
会見に出席したのは、矢野代表取締役社長、木村フットボール事業本部長、工藤監督です。
木村フットボール事業本部長(以下木村部長)から監督の交代に至った経緯が説明されました。
今年の目標はJ3昇格を最低ラインとし、それについて結果がついてくるかどうかが全てであったと。その中で、昨年と比較して勝ち点も下回り、順位も昨年よりふるわなかったということで、「流れを変えるための」交代だったとのことでした。
最後の決め手は、先日開催された前期ホーム最終戦のラインメール青森戦。
その後クラブ側から吉武監督に話を持ちかけ、双方合意の上、退任の運びとなったそうです。
それを受けて、今週火曜日に木村部長から電話を受けた工藤新監督は、電話を受けた当初は「困惑して頭が真っ白になっていた」と話すように、突然の要請に戸惑いは見せたものの、
「プレッシャーは感じるし、悩んだことは事実です。ただ、チャレンジを恐れない、また先のことを考えすぎずに、今自分ができることはなんだということを考え抜いた上で、この重責を引き受けることを決めました。」
工藤監督への要請の理由は、「チームに一番長く在籍し、トップチームの選手のことを誰よりも理解している」(木村部長)からだそうです。
会見の中で、工藤新監督の言葉から最も聞かれた言葉は、「目の前の試合に勝つことだけを考える。」という言葉。何度も繰り返し使っていました。
岡田メソッドを作る上で、吉武監督が築いた型や基礎の部分。それにさらに勝つためのスピリットを植え付けることを最大限に重視しているようでした。
とにかく目の前の試合に勝つことだけを考える。
この言葉に集約されていました。
ただ、この監督の交代の理由は、あくまで「流れを変えるため」であり、さらに「J3へ昇格するため」という説明でした。
後期優勝であるとか、J3から先の話は出てきませんでした。
それだけ後がない状況で、目下の課題をクリアすることを最優先した上での結論だったのかなとそんな印象を受けました。
今治には強力なメソッドが存在し、その上で、監督それぞれの色を出していくんだと思います。
工藤新監督がどんな采配を見せるのか。楽しみになりますね。
最後に、吉武前監督のことについて少し。
一番初めに取材をさせていただいたのがおよそ2年前。
すごく緊張しながら1対1でお話しさせていただきました。
それまでも、そしてそのあとも取材に行くと、弱小webメディアのペーペーにもずっと、すごく丁寧に対応していただきました。
スタジアムなどでも頻繁にお声掛けいただき、その人間性に触れることができました。
サッカー漬けの今治の生活から、少し離れることになることの悔しさを推し量ると、寂しい気持ちになりますが、これがサッカーの世界。これが結果がすべての世界。これがプロの世界なんだなと。
そんな気持ちで発表を受け止めました。
お疲れ様でした、そしてありがとうございました。
新たに監督に就任された工藤監督。
上の写真ではおそろしく険しい顔でしたが、もうご存知の方も多いかとは思いますが、人間味あふれるお方で、地元愛媛をこれでもかと盛り上げてくれることを心から期待しています。
どんな流れに変わるのか。
どんな勝利へのスピリットが選手たちに注入されるのか。
後期に向けて、J3昇格へ向けて、すでに新しい挑戦は始まっています。
ぜひ今後も彼らの活躍に期待してきましょう。