【コラム】アンケート集計結果発表。回答総数約300件を公開!切実な声をぜひご一読ください。(高橋歩美)
第6回。アンケート結果を大公開!ぜひ一度目を通してください。
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※今回は3月に実施しましたアンケート結果のご紹介と検証です。
本年3月、みとん今治で掲載しました以下の3種類のアンケートに約300件のご返答をいただくことができました。ありがとうございました。
内訳としては、
<調査対象と調査数>
① 発達障がい児(発達に不安)を抱える保護者・・・149件
② 障がい児に関わる(関わっていた)教育関係者・支援者・・・83件
③ ①、②以外の子育て中(子育てをしてきた・するかもしれない)方・・・65件
多くの方々にご協力いただけたことを本当に感謝しています。
簡単ですがまずアンケートに関してのご報告です。切実な声が上がっていますので少しでいいので目を通していただけるとうれしいです。(以下のリンクをご覧ください。)
アンケート集計結果
アンケート① 発達障がい児(発達に不安)を抱える保護者向け https://drive.google.com/file/d/1B_e2jDGDTVpwzfmpg5bcIeeeAgQu0pfw/view?usp=sharing
アンケート② 障がい児に関わる(関わっていた)教育関係者・支援者向け https://drive.google.com/file/d/1PXASu3IzAeyXnKK1QPLJHleiHW6Slk2w/view?usp=sharing
アンケート③ ①、②以外の子育て中(子育てをしてきた・するかもしれない)方向け https://drive.google.com/file/d/1rGTtaknFZLWZB0M7Q1WvNh4g39l9D-gG/view?usp=sharing
本年3月、みとん今治や保護者会の皆様をはじめとして様々な方々を通じてアンケートにご協力していただきありがとうございました。
おかげさまで、以下3種類のアンケートに約300件のご返答をいただくことができました。この度、アンケートの集計結果を公表させていただきます。
今回の調査では、今治市における発達障がい児を抱える保護者、子育て中の保護者など支援を受ける側、教育関係者など支援者側のそれぞれの立場から、悩みやニーズを把握することと、子育て中の保護者の就労状況に関しての現状の把握を目的としていました。
特にコロナ禍で従来通りにいかずなかなか双方の思いや意見を伝えるチャンスがなくなり、苦しい状況に陥っている方も多いと思います。この結果はごく一部の市民の意見でしかありませんが、私自身同じように悩む方の意見を見て励まされたと同時に、改善の余地があること、自分たちで動かなければ何も始まらないことも痛感しました。
このアンケートがその一歩になればいいなと思いながら集計をしました。
今、何が必要とされているのか、それらを知るいい機会になったと思います。調査で終わるのではなくこれらを生かしていける世の中になればと願っています。
1.目的
発達障がい児を含め子育て中の保護者の方の悩みや不安を知り、少しでも住みやすい世の中にするために支援を受ける側と支援をする側のニーズを明確に把握する。
2.調査期間
令和3年3月~令和3年4月末
3.調査対象
① 発達障がい児(発達に不安)を抱える保護者
② 障がい児に関わる(関わっていた)教育関係者・支援者
③ ①、②以外の子育て中(子育てをしてきた・するかもしれない)方
4.調査方法
インターネット上(みとん今治内コラム)でのアンケート、有志の保護者による今治市内の教育・療育機関等関係各所への配布、今治市社会福祉協議会からの郵送
5.アンケート集計サマリー
今回アンケートにご協力いただいた方の9割弱が女性でした。
①に関しては、男児のお子さんが7割に上り、発達凸凹児に男児が多い結果になりました。お子さんの発達に不安を抱いた時期は1歳~2歳が半数を占め、そのうち自分で気づいた方が半数でした。
また第三者からの指摘を受けた場合最も多かったのは、市の定期健診、幼稚園・保育園で7割を超え、また発達の遅れに気づいた場合の相談機関としては発達支援センター・病院・定期健診(の保健師)が全体の7割に上り、これらの機関の専門性が求められていると感じます。
保護者の就労状況に関しては、子育て中の保護者の約7割が就労しているが、健常児の保護者の約6割は正社員であるのに対し、発達に不安のあるお子さんを持つ保護者の正社員率は4割弱であり、働いていない人の約6割が働きたくても働けないと回答しました。
主な理由としては、時間的な問題(始業時間と療育の時間)が4割、子どもの預け先の問題が3割でした。(ちなみに療育施設の開始時間は10時~のことが多いです。もちろん例外もありますが、市内の多くの企業の就業時間には間に合わない現状があります。)発達に不安を抱える子どもの保護者から多くあった意見に、コロナ禍になり情報交換をする場所がなくなり、交流ができる場所、気軽に相談できる機会を求める声が多かったです。
また学校への送迎支援、預かり支援の要望の声も多く上がっています。
障害の有無に関らず子育て世代全体を通して、子育てをしながら働く上でもっと休みを取りやすくしてほしいという要望が非常に多く、近くに子どもの預け先がなく、自分たちで育てたいという意識の保護者が多いように感じました。
また、急な場合への子どもの預け先や、無料で開放されている広場の需要も多かったです。
支援者側の意見で多いのが、人手不足、知識不足であり、また他職種との連携も課題です。
健診や教育相談も含め支援の専門性やシステム自体が脆弱であるという声や、連携が取れていないことから起きる支援不足が指摘されています。地域の小学校の支援級8人に対して教員1名という現状にも人手不足の背景があるように思われ、検討すべき課題があると感じます。
6.最後に
今回、このアンケートを行うことにした際、みとん今治のコラム上で呼びかけるだけでなく、有志の保護者5人がそれぞれ利用している幼稚園、保育所、療育施設、医療機関に依頼をしたり、知り合いを通じて様々な方にお願いをしたりしました。
市内で行われているスポーツ教室などでも紹介させていただきました。この活動を目にした保護者会の方、福祉事業の勉強会でも配布をしていただいたり、ご紹介から市内の放課後等デイサービス事業の方にもご協力をいただけたり、無名であったにも関わらず、ご縁によって繋がれたたくさんの皆様のご協力によって予想以上の結果を集めることができました。
300という数は少ないと思われると思います。
ですが、それでも上がってきた意見を無駄にしないように、公表をするだけでなくこのアンケートがたくさんの方々の目に留まり、「こんなことで困っている人もいるんだ」という「知る」きっかけづくりになってもらえたらいいなと思っています。
また、支援者側向けのアンケートに関しては、福祉側(児童発達支援事業・放課後等デイサービス事業など)からするとどういった視点で答えるのか不十分なところがあるとご指摘もいただき反省しました。
今回のアンケートを行ったことにより私自身たくさんの立場の違う方々と出会い、福祉、教育について考えさせられました。知らないことが盛りだくさんでした。
全ての事業所の方や医療関係の方に周知できたわけではないので課題はまだまだ山積みだと思います。
今回は小学生以下のお子さんを持つ保護者からの回答が多く、お子さんの年齢層が変わればまた課題は大きく異なってくると思いますが、今後、自分たち保護者でどういったことができるか、また支援者としてはどういった観点で支援をしていくべきかを考えるいい機会にもなりました。このアンケート結果に関しましては自由に拡散し、使用していただいて構いません。
もし、この活動に興味のある方・ご協力いただけるがいれば気軽に連絡をください。
個別に依頼させていただいた方々にはそれぞれご挨拶に伺わせていただきます。ご協力いただいたたくさんの方々に本当に感謝申し上げます。
高橋歩美