【コラム】ねくら剣士(伊藤惠美子)

私の拙い話にお付き合い頂きありがとうございます。

初回のコラム(→こちら)でお話した通り、ネクラだったけれど少~し笑顔が増えた小学高学年時代を振り返ると、あるキーワードが浮かんできます。

(親戚の集まりの時の写真。左手前の私、薄っすら笑みが)

水曜日、午後7時「Uの36」

これでピンときた方は間違いなく私と同世代でしょう。

小学生時代、毎回楽しみにしていたテレビ番組が「ドラゴンボール」。

赤くて小さいブラウン管テレビを食い入るように見ていました。毎回々次週の内容を1週間とても心待ちにしていたのですが、とにかく展開が遅く「か~め~は~め~波」が長過ぎてがっかりすることが多かったことを覚えています。

それともう1つ、「ザ・ベストテン」。

あのカチャカチャカチャという音が今でも耳に残っています。

アイドル全盛期、特に光GENJIが大好きで、ラジカセをスタンバイし、曲が始まると「しー!」と家族に静かにするように促し、赤の録音ボタンとグレーの再生ボタンを同時に押していたあの頃を思い出しました!

そうそう、私のことをほんの少しの期間でも好きになってくれたクラスの人気者の男の子の名前!「YUJI」。

そんなことはどうでもいいことなのかも知れませんが、笑顔の少なかった私にカメラを向けられるとニコっとほほ笑むまでに明るくさせてくれた彼。私に笑顔の「きっかけ」をくれたY.M君にはとっても感謝しています。

(写真は自然の家に行った時のもの。左の私、背が高かったです)

徐々に笑顔の増えた小学高学年期、でもまだまだ性格は控えめでした。

小学3年生から中学卒業までなんとか続けた剣道。女剣士と聞けば力強く、気丈で真面目なイメージをされる方もいらっしゃると思います。

ところがどっこい、力は少しありましたが今と違って?気は弱め、剣士として大事な要素である気力も気迫も大して持ち合わせてなかった為、指導していただく先生方をイラつかせ、よく叱られていたことを覚えています。

やはり剣道では何といっても必要不可欠な気合いの声。

皆さん解りますかね~?剣道をされてた方や試合をご覧になられた方は想像できると思いますが、試合中の威嚇と気合の声は、ただ大きい声を出すだけでなく、どの辺りからどのように発声しているんだろうと思わせるような声、かなりの高音や個性と気迫溢れる声を出すことが多い中、私は「や~、お~」と、か細い声でした。

そのため、指導していただく先生方からは、「聞こえん!もっと声出せ!」「腹の底から声出せ!」「気合いが足りん!」などと当然のご指導を頂いていました。

それでも内気な私は声を出せず、またかかり稽古の際には、他の練習生達に「どうぞ、どうぞ」と順番を譲り続け、先生方からは呆れられる始末。

間違いなく周りからは「気合いの無い剣士」と思われていたと思いますが、そんな私でも団体戦ではありますが、全国大会に出場したこともあるんです。そう!あの日本武道館で戦ったこともあるんです。(自慢)

こうして、あまり好きではない剣道を約6年間も続けることが出来たのは、母の励まし?というか威圧的強制力?もありましたが、色々な「達成感」が私を後押ししてくれたんだと思います。

今思うと剣道から学んだことは沢山あり、続けていく過程で培った忍耐力、試合中の集中力、先を読む力、礼儀作法、他者を敬い思いやる心、協調性、人、物、時間の大切さなどなど、今の私の根幹が作られたと言っても過言ではありません。

この「達成感」は非常に偉大で、それまでの辛さ、苦しさ(ストレス)は、達成する事でストレスを瞬時にクリアにしてもらえるパワーがあります。逆に達成感が足りないと、足りない部分はストレスとして残ります。

人それぞれ達成感は異なりますが、自分が何で達成感を味わえるのか?試合に勝った時、先生に褒められた時、技術の上達を感じた時などなど、上手く「達成感」を味わいながらストレスを開放し、フラットな状態から次の課題に挑戦する。

この繰り返しが大切だと考えています。

今振り返ると、継続させてくれた母をはじめ、仲間や恩師達に感謝しています。

(気合いのない剣士時代)

今の私の仕事に置き換えてみると、個々の子供達は何で「達成感」を感じているのか?「達成感」を感じるサポートが出来ているのか?などストレスを溜めずクリアに出来る方法を日々模索しています。

ただ、お仕事、お勉強でストレスが解放出来なかった方は、趣味、旅行、恋愛など他の方法でクリアにしてあげる必要があると考えています。

ドラゴンボールから達成感の話へと恐ろしい展開になってしまいましたが、次回は花の思春期なので中学と高校の恋話などについても書いてみようと思います。

お出掛けが億劫になる雨の日の暇なときにでも読んで頂けると幸いです。

そうそう、雨で思い出しましたが、私、「雨女」です。きっと。

(お読み頂ければ幸いです。)

伊藤惠美子(English House 代表)

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