みとん今治,活版印刷,田中望,ばりじん,komorebi

ばりじんNo.26。アナログ印刷への回帰。田中望さん。

アラーキー

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活版印刷というアナログ印刷を今治で。

みなさんは活版印刷というものをご存知でしょうか?

聞いたことあるという方は、おそらくむかしむかし、グーテンベルクという人が「活版印刷技術を発明した!」という言葉を教科書か何かで見たことがある方がほとんどだと思います。

この技術はおよそ550年前に開発された技術だそうです。

その事前知識を持った上で、今回のばりじん26人目は、アナログに魅せられた活版印刷を通じたデザインを行う、田中望さんです。

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今治の女性ではなかなか現れないという噂の、Uターン組なんです。

今までのあゆみ。

地元は今治。

今治の中学、松山の高校と進み、大学へ進学するとき、デザインへの憧れがあったと言います。

そのことから美術大学への進学を希望していたものの、当時の担任にも反対され、

「まあそんなに反対されてまでは行く意味ないかな」と。

反対を押し切ってまでやりたいというわけではなく漠然とした憧れだったため、京都の4年制大学に進学。

大学では、人間の生活に関する「衣・食・住」に関する分野を幅広く勉強。

このころから、自分の本当のやりたいことに気付き始めます。

「もう一回デザインやりたいなぁ。」と、大学進学の時におぼろげながら抱いた感情を、再び呼び起こし、大学に通いながらデザインの学校とのダブルスクールを始めます。

そうこうしていると、大学は就職モードに入ります。

ここで田中さんは、

「就活したくないなぁ。みんなと同じ格好で面接とかしたくないし、一般企業で働くのは無理だなきっと。」と、すでに自分をしっかりもっていました。

そこで考えたことは、

「自分のデザインのポートフォリオ(自分の作品集みたいなもの)で勝負しよう。面接だけで決められるなんて嫌だ。」

ということで、自分のデザインに磨きをかけ、そのポートフォリオで自分なりの就職活動を始め、大阪のデザイン会社へ就職。

その会社で4年ほど勤め上げます。

なぜ今治へ??

仕事については、全く辞めるつもりはなかったし、今治に帰るつもりもなかったと話す田中さん。

それまで働きっぱなしだったため、好きなデザインの仕事を辞めるわけではなく、「一旦休憩」ということで、一度今治へ一時帰省。

その後「実は農業にも興味あるんです。」と話すように、半年間北海道で農業をするというアクティブさを見せます。

半年間自然と触れ合った後、再びデザインの道に戻ることを考えます。

活版印刷との出会い。

活版印刷の説明を冒頭部分でしたのに、ここまで全くその存在は明らかになりませんでしたが、ここからようやく登場します。

実は元々アナログものが大好きな田中さん。

カメラもデジタルではなくアナログ。

フィルムカメラを愛用していると言います。

そんな彼女が大阪で出会ったお店。

以前から活版印刷というものを知っていたものの、ここでアナログへの素晴らしさと出会います。

ここで、このアナログ技術を使って、自分の好きなデザインの仕事はなんだろう、と考え行き着いた答えが「活版印刷」だったのです。

一度魅せられると、田中さんは一気に機械を探し始めます。

実は稼働する活版印刷の機械は、新たに生産されるものはなく、どこかの印刷会社が営業を終える時くらいしか売りにも出ていないという状況。

しかしなんと偶然タイミングよく、

「一件目の交渉で機械を譲っていただける話になりました。」と強運。

そうなるともう活版印刷でやっていく決意を固めました。

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その機械というのがこちら。

もう圧倒的にアナログ。

事務所に工程を見せてもらいにいったんですが、一言でいうと、「めんどくさい」。

でも「味がありまくる。」

そんな印刷技術です。

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こちらが台座みたいなもの。

これに、

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デザイン位置を計算し、

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金型を貼り付け、

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この丸いところにインクを塗りつけ、

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まんべんなく塗られた場所に、

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このレバーでがガチャンガチャンして、紙に色をつけていきます。

これでは全然わかんないかと思いいますけど、本当に工程が多くて、もう普通にプリンターで慣れている人は、何してんだって感じになると思います。

実際ぼくも思わず「めんどくせぇ〜」と発言してしまいました。

ただし、出来上がりについてはやはり圧倒的な違いが。

その違いとは、凹凸。

紙に金型を押し付けるため、紙に凹凸が生まれます。

触れば確かにここに印字したんだとわかる状態が生まれます。

これが、めちゃくちゃかっこいいんです。

これからのこと。

一般的に知名度は低く、大量生産にも全く向かない活版印刷。

そこに挑む田中さん。

「やっぱり活版印刷でやっていきたいですね。私はデザインもできるので、その二刀流でなんとかこのアナログ技術を好きになってくれる人を増やしたいです。」

「大量生産は簡単に、粗末に扱われてしまいます。アナログ技術はすごく人が見える仕事だと思うんです。そうすると、物を大事に扱ってくれると思うので、その価値を届けたいと思います。」

確固たる信念を持ち、地元今治に戻り、一人で始める新たな挑戦。

印刷技術の原点回帰で、大量生産されるものにない価値を提供し続けます。

人が見える仕事、その背景にある想いとデザインにぜひ触れてみてください。

田中望

komorebi.kp@gmail.com