【コラム】“旅と絵” 何事もはじめが肝心!第一印象勝負のベルギー初旅行(デウェルシヤン穂波)
こんにちは!
コロナウイルスの感染者がベルギーでもぼちぼち出てきて、早速ベルギー政府は大胆な対策を取り決めました。
学校お休み!仕事も家で出来る人は家ですること!レストランやバーは営業停止!映画祭やコンサートその他のイベントもぜーんぶキャンセル!
おかげ様でスーパーでは買い占めが始まり、私が楽しみにしていた今月の予定が全部なくなりました( ;∀;)
大学で働いている主人はというと、通常週3日出勤していたところが完全在宅ワークとなり、しばらく友達に会えないのは寂しいと言いながらも、出勤しなくて良いことに大喜びしていました。
さて話は変わりますが、なんと!今回が連載コラムの最終回。
最後の旅はベルギーです。
長いようであっという間だったこの3年半、セドナ旅行をきっかけにセブ島やカナダに行って英語を習得し、お遍路に出かけてベルギー人と出会い、それからもいろんな旅をしました。
満を持して今回は、ベルギーを初めて訪れた時のお話をしようと思います。
第一回目ベルギー訪問!私の3つのミッション
主人に出会うまでベルギーがどこにあるのか、何が有名で何が美味しくて、どんな国民性であるのかなんてことは全く知識のなかった私ですが、初のベルギー旅行ではいくつかのミッションがありました。
第一ミッション、彼の家族に会う
たったの3週間の滞在でしたが、その間に2回も家族で集まるホームパーティがありました。
ベルギーのホームパーティーはクロスやお皿、銀器やグラスに至るまで素敵にセッティングされたテーブルに、フレンチ料理のようにたくさんのお料理が順番に出され、初めて食べるベルギーの家庭料理の数々と馴染みのない食材の形と味に、私はいちいち感動していました。
しかし毎回この品数と15人分の量をお義母さんが1人で準備するのなんて…、感服です。
ベルギーのホームパーティーの具体的な内容はと言うと、11時に主人の実家に家族総勢15人が集まり、はじめにアペリティフと言う食前のスパークリングワインや軽食タイム。
2時頃からランチが始まり、スープ、サラダ、メインディッシュと続き、全員がお腹いっぱい食べてゆっくりした後5時頃からデザートになります。その後はずっとお喋りが続き、解散するのが21時という超ロングパーティーでした。
旅行前からクリスマスパーティーとニューイヤーパーティーがあるからと聞かされていたので、クリスマスプレゼントを用意して楽しみにしていたのですが、10時間も続くなんて知らなかったので、途中からはお願いだからもう開放してくれ!と念じていたというのはココだけの話。
第二ミッション、クリスマスマーケットでホットワインを飲む
前にヨーロッパのクリスマスマーケットの様子を雑誌で読んでから、ずっと行ってみたいな~と思っていたので、12月25日発の東京からブリュッセルへのフライトを意気揚々と予約しました。
たくさんあるクリスマスマーケットの名物の中で、一番試してみたいのはホットワインだと彼に言うと「ホットワインなんて美味しくないのに飲みたいの?まあいいけど1人で飲んでね」と。
…なんてこった!マズイのか!
いやしかし、どの国のクリスマスマーケットでもみんな飲んでるし、不味いとしても飲んでみたい!
飲んでみると、やっぱり不味かったです。
半分飲んで残りは彼にあげました。
へントのクリスマスマーケットはきらびやかなライトアップやかわいいお菓子や小物、美味しそうな食べ物のお店の数々が通りに並び、アイススケートや観覧車など、ちょっとしたアトラクションがあり沢山の人が年に一度の大イベントを楽しんでいました。
ベルギーのクリスマスマーケットはクリスマスを真ん中にして、およそ1ヶ月間開催されます。
なのでわざわざ25日のフライトでなくても良かったのですが、なにせクリスマスに移動しようとする人は殆どいないので値段も安く、3列シートを独り占め出来るのでおすすめです◎
第三ミッション、彼のお父さんとラザニアを作る
彼に出会った頃から「お父さんが作るラザニアはどこのレストランよりも美味しいんだよ。」と聞かされていたので是非とも食べたいから作って!とリクエストしたら、一緒に作ることになりました。
料理が下手くそだと悟られてはなるまい、私のせいでラザニアの味を落とすまいと慎重になって、こんな感じ?これでいい?と逐一聞きながら手伝っていると「料理はあんまりしないの?」と返され、石橋を叩きすぎて砕いてしまう結果になりました。
しかし結果ラザニアはすっごく美味しくて、さすがイタリアのおばあさん直伝のレシピでした。
まったく予期していなかったサプライズ
ある日、「2泊3日の旅行に行くから準備して」とだけ言われ、突然サプライズ旅行が始まりました。
例の如くヘントピーテルス駅のスタバでカフェラテを買って、右も左もわからず電車へ乗ったのですが、あろうことか行き先を当ててしまい、彼のサプライズの腰を折ってしまいました。
行き先はSpaと書いて、そのままスパとよみます。
電車を数回乗り換え、ヘントから3時間程のところにあります。
ベルギー南部のワロン地方に位置するSpaは、リラクゼーション施設の総称であるスパの語源になった街で、ヨーロッパでは珍しい軟水の泉が湧いることで有名で、昔はヨーロッパ各地から王族や貴族が訪れたそうです。
そこにあるオーベルジュのホテルを予約してくれていて、朝食はクロワッサンにハムとチーズ、色んな種類のジャムと数種類のフルーツジュースを各テーブルにサーブしてくれ、その量は食べ切れないほど。
朝食の後はテルメドスパという、温水プールやエステにサウナなど女性にとっての楽園に行きました。
ヨーロッパの石灰を多く含む硬水に慣れていなかった私の肌は荒れ放題になっていたので、久しぶりの軟水に癒やされ、予約してくれていたアイアンの猫脚バスタブで浸かる炭酸バスは最高でした。
夜はホテルのレストランでとったのですが、ワロン地方はフランス文化の影響をかなり受けていて、言語もフランス語を話します。
ディナーはフレンチで、用意してくれたワインも格別でした。
で、全く予期していなかったのですが、パジャマに着替えもう寝るぞという時にプロポーズされました(笑)
ヘントに帰り、リングのサイズ調整にお店に向かい、ショーウィンドーを覗いていると同じようなリングとその価格が…。
ちょっと気になりましたが、野暮なことはすまいと、思いとどまりました。
訪れてみるとわかるベルギーの良いところ
ベルギー人はアメリカやカナダの人と比べると全然フレンドリーではないのですが、私が近所を歩いていてもニコリと挨拶をしてくれたり、半ば迷いながら1人でふらふら歩いている日本人の私に道を尋ねたりするので、とってもおおらかな人達だなと思います。
ベルギーには、日本のラーメン屋さんと同じくらいの比率でフライドポテト屋さんがあります。フレンチフライとの違いは2度揚げしているところ。カリッカリで美味しいです。
そしてベルギーといえばチョコレート。街の至るところにショコラティエがお店を構えていて、まるで宝石のような甘くて美味しいプラリネが買える老舗や、他では味わえないフレーバーが味わえる個性的なお店がたくさんあります。
またベルギーワッフルが有名ですが、ベルギーワッフルには“リェージュワッフル”と“ブリュッセルワッフル”の2種類あり、日本でよく見かける丸いワッフルはリェージュワッフルでサクモチ食感、長方形で甘さ控えめアイスをトッピングして食べるサクフワ食感のワッフルはブリュッセルワッフルです。日本で食べるワッフルとは完全に別次元の美味しさなので、ベルギーへ来たら必ず食べてみてくださいね。
美食家が多いと言われるベルギーですが、街のレストランでも家庭料理でも、隣国のいいとこどりの美味しいものづくしです。
フレンチやイタリアンはもちろんですが、あまり日本では馴染みのないレバノン料理など、いろんな国の料理が美味しく食べられます。
家庭料理はと言うと、ハーブをたくさん使って素材の美味しさを引き立たせる料理が多いです。
ビーガンやベジタリアンも多いイメージですが、街角にはお肉の専門店があり、伝統的な家庭料理などを見るとかなりの肉食文化です。
ある日、お客さんが来るから豚汁を作ろうと思って豚肉の薄切りを注文すると5ミリくらいの厚さのお肉が出てきました。
え、コレ全然薄くないよ…と、軽いカルチャーショックでした。
そして忘れてはいけないのがベルギービール。ベルギーのいろいろな教会で作られたビールや各地域で作られるクラフトビールのフレーバーの幅広さ。
香りが独特だったり、コクがあったり、甘みがあったり、驚くほど苦かったりと豊富な種類があるベルビールなら、スタンダードな味が多い日本のビールに飽きた人にもおすすめですし、もともとビールが苦手な人でさえも好きな味を見つけられると思います。
そしてベルギー人のビール愛はとても深くて、ビールのメーカー毎に一番美味しく飲める形のグラスが作られており、バーやレストランではもちろんですが、ビール好きは各ビールの専用グラスを自宅にコレクトしていて、スーパーでビールを買ってきてはわざわざ専用のグラスに注いで飲むのです。
最近の私と言えばそそっかしくて、主人から自転車乗車禁止令が出ました。そんな今の私の交通手段はもっぱら徒歩なので、どこへ行くにも時間がかかります。
しかしゆっくり歩いてゆっくり町並みを楽しむのも大好きです。
歩く足も弾む石畳の道や、思わずノックしたくなる可愛らしく装飾された色とりどりのドア、ベランダの手すりや窓辺の猫、豪華で重厚な教会と賢そうな時計塔、街を縦横無尽に流れる川にかけられた橋を半分渡れば視界が開けて、そこには日本とは少し違った空が広がっています。
街から少し歩くと、すぐに広い牧場や小さな自然公園にアクセスできます。
細い小道を歩いて、牛や馬、アヒルやロバのすぐ横を通り、森に入って小川を超えて、木々の間を抜けて鳥の声のする方を向けば、かわいい小鳥やリスを簡単に見つけるのも簡単です。
ベルギーから見た日本の面白さ
常々、外国人にとって東京の何が面白いのだろう?と思っていました。
日本人から見ればよくある都会の風景で、大なり小なりどこの都道府県にも存在するものです。
しかし、ど派手な広告掲示板や同じような服を着て歩いている大勢のサラリーマン、真新しい高層ビル郡、いい意味でも悪い意味でもクレイジーな日本のサブカルチャーがヨーロッパの人達にとってはとても珍しいんだなと、ヨーロッパに来てみて理解しました。
日本とヨーロッパは本当に全然違います。
すごく当たり前のことを言いましたが、住んでみて本当にそう思います。
個人的に江戸時代が終わり、オランダの文化がたくさん入ってきて日本の文化と西洋の文化がおしゃれに融合している明治の風景が好きです。
そんな私にとって、はじめてのヨーロッパであるベルギーはとってもキラキラしていました。
戦争や悲しいことがたくさんあった場所だけど、歴史や古いものを大切にして受け継ぎ、家族との時間を忘れず、友達や家族を自宅に招いてお料理を振る舞う温かい文化はとても素敵だなと思ったからです。
街でお祭りがあれば老若男女みんなが参加して楽しんだり、晴れた日にはバーのテラス席がすぐに満席になってみんなで太陽を満喫したり、残業は一切せずに自由時間を目一杯遊んだり、自分のしたいことは何かを知っていることや、自分の気分が良くなることが何かを知っていることが良いなと思いました。
日本はアメリカばかりについていかずに自国の素晴らしい点をゆっくりと伸ばして行って欲しいし、日本人は欧米人が素敵という偏見を捨てて、自分自身が美しいことに気づいて自分を取り囲む環境に目を向けて周りの人と人生を楽しめたら最高だなと思います。
私も、ベルギーに住んでいても日本の文化を大切にして、日本人であることに自信を持って、ベルギーの人たちとベルギーを楽しんでいけたらいいなと思います。
とりあえず、女友達が欲しい!!!!
最後のごあいさつ
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
この連載コラムは私が旅を通して得たもの、奇跡的な出来事や面白かったことをシェアしたいと思いスタートしました。
書き始めた当初に言いたかったことや伝えたかったこと、現在思っていることなどを拙いながらにも書いて来られたかなと思っています。
そして毎回どうやって書こうかと頭を悩ませていたのですが、それと同時に毎月コラムを書けるということが嬉しく、書くことが楽しかったです。
それは沢山の人に読んでもらえるということが私のモチベーションに直結していたからだと思います。
たまに、毎月読むのを楽しみにしているというお声を頂くと、俄然やる気が出ました(^^)
また、代表のアラーキーさんにはこちらのコラムだけでなく、絵本の自費制作のためのクラウドファンディングを紹介してもらったりと親切にして頂き、大変お世話になりました。
みなさま半年間、本当にありがとうございました!
感謝感謝です。
では!またどこかで~\(^o^)/♫
デウェルシヤン 穂波
お遍路の旅路は私のInstagramに詳しく綴っています。
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個展や絵画のアカウントもあります。
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