ばりじんNo.8 アルムの渡部寛之さん。
スイーツの質のことだけを考える。
今回のご紹介は、洋菓子・スイス菓子のAlmの渡部寛之さんをご紹介します。
現在アルムの洋菓子の製造を担当し、10月に行われました、テレビでも有名なパティシエの鎧塚俊彦さんも審査員を務めるえひめスイーツコンテスト2016では、初出品にして審査員特別賞を獲得しました。
そんな彼にお話を伺ってきました。
今治の高校を卒業し、幼い頃からケーキに慣れ親しみ、触れてきたにもかかわらず、アルムには目もくれず、岡山大学に入学し、地銀に就職。
就職当初は今治に帰ることは考えていなかったというほど。
現在の社長である父親も、別に帰ってこなくてもいいというスタンスだったため、本人もUターンを考えることはなかったそうです。
しかし、地銀の営業などで、多くの多様な企業の社長と話す中で、自分の実家のケーキ屋さんというものの魅力を再認識し、28歳の時に今治へ帰ってくることを決意しました。
他業種から、本格的に洋菓子の世界に飛び込むことは容易ではなく、もちろんすぐに技術が身につくわけでもなく、師匠が父親ということもあり、
「1年目はズタボロでしたね。」
と、当時を振り返って語ってくれました。
しかし、その後アルムでの洋菓子作り、いろんなお店の研究などを重ね、自身の技術の向上に努め、3年目の今年、コンテスト初出品にして見事賞を獲得しました。
少しずつですが、「形になってきている。」と話します。
そんな彼は、アルムの商品について、
「どこよりも手間をかけている自負がある。」と、話します。
話を聞けば聞くほど奥の深さを感じますが、
「レシピは0.1g単位だし、毎日の温度や湿度で仕上がりは変わってくる。それを自分の手で最高のものに仕上げる勝負が毎日行われてる。」そうなんです。
さらには、
「ケーキの種類によって、スポンジもソースもクリームも変えますし、一言でチョコといっても、砂糖を3種類、チョコを3種類、ココアを3種類みたいに、配合を考えて作り上げます。」
と、話す内容は想像以上のものでした。
そんな彼に、今後の展望を聞くと、
「現時点で2店舗目とかの展開は全く考えてないですね。あくまでアルムとして洋菓子の質を高めたいし、どこにもマネできないクオリティで勝負したい。」
と話してくれました。
個人的な野望として、
「父親がライバルとか、見返したいという気持ちはないんですよ。同志みたいな感じですね。」
「でも父が作ったアルハンブラに勝てる、ここに行けばこれという定番商品を作りたいですね。それを常温商品で作ることがこれからの目標になりますかね。」
と、さらなるアルムのパワーアップを常に意識しているみたいです。
つまりは、あくまで彼の目標は、商品の質へのこだわり。
そんな商品があふれるお店だということです。
「お店に足を運んでくれる人をいつでも飽きさせないことを実現したいですね。」
あくまで彼が目指す先は、お客様に喜んでいただける、質の長い商品を、いつの時代も追求すること。
ずっと愛される理由がここにもしっかりと受け継がれているということです。
まだまだ31歳。これからもさらに成長に磨きがかかることでしょう。
スイス菓子 Alm
Facebookページ→https://www.facebook.com/almcake/
渡部寛之