ばりじんNo.21。若き総無垢建築の継承者。舟木麟太郎さん。
島根から来た総無垢建築の継承者。
ばりじんの21人目は、島根からやってきた若き総無垢建築の継承者。
小林建工の舟木麟太郎さんです。
最高な笑顔をいただきました。
今回は現在建築作業中の、お寺でお話を伺いました。
なぜ今治へ。
島根県の雲南市で育った舟木さん。
なぜ今治にいるのか。
それはこの総無垢建築という今治にある小林建工さんが行う建築方法に魅了されたから。
高校では普通科に通った彼は、「何か普通の会社員よりはものづくりがしたいかなぁ」「木も好きだしなぁ」という漠然とした想いから、建築の専門学校に進学。
そこでは施工管理をメインとし、幅広い建築という分野を学び、大工というのは一授業で学んだ程度。
そこから、学校の先生が棟梁と知り合いで、さらにFacebookなどWebで小林建工の仕事内容も見ていたこともあり、実際その仕事を生で見学し、話を聞いて、自分でやったことが形になることや、全部が木で出来上がることなど考え、
「ここで修行したい。」という想いを持ち、弟子入りを決めたと話します。
今治にやってきて働き始めた当初は、ほんとにわからないことだらけ。
「道具の名前とかもわからないのはもちろんですけど、方言も含めて何言ってるか全然わからないこと多かったですよ。ついていくのが精一杯でした。方言に関してはぼくも何言ってるかわからないって思われてたかもしれないですけどね。笑」
大工という仕事について。
そんな舟木さん。ただ、純粋に「この仕事が純粋におもしろい。」
と話し、仕事への魅力を語ります。
「この建築方法だと、毎回使う材料が違うし、日々状況が変わるので、全く飽きることがないんです。めっちゃ飽きっぽい性格なんでゲームですら全然長続きしないんですけど、この仕事だけはもう4年目になりますけど、全く飽きないんですよね。」
この小林建工さんが行う総無垢建築というのは、詳しいことはHPで確認いただくほうがいいと思いますが、例えば新築の家を建てるときも、相談の時から数えると、2〜3年後に完成することもあるというように、一つのものをこだわり、精密に、丁寧に作り上げるんです。
その理由は、要望にフィットする木を選ぶことから始めるから。
そういうこだわり建築のため、舟木さんが話す、毎回違うものを使い、作る面白さが出てくるんだそうです。
もちろんまだまだその一番重要な部分を任されるまでには至ってませんが、
「徐々に仕事のことは理解し始めてますがほんとにまだまだです。まだ毎日勉強という気持ちです。この仕事でキレイにできることは当たり前で、その上でどれだけ全体的に作業スピードを上げることができるかだと思います。その部分がほんとにまだまだ先輩たちには追いつけてないです。」と話します。
今治での生活は。
そんな仕事ばっかりの舟木さん。今治での生活を聞いてみると、
「いや、全然なにもしてないんですよ。オフは仕事疲れた〜ってバタンってなってるだけです。何してるかと聞かれれば本当に何もしてないです。ほとんど出かけることもないですし。笑」
と、仕事に熱中しすぎてるのか、全くオフが充実してないと話します。
「やっぱり仕事場とか同業者でもぼくと同じ世代で20代前半の人って少ないんですよ。どうしても30代以上の人が多いので、なかなかグチを言い合えるような同世代の友達っていうのがいないのが今の悩みです。出掛けてないんでできるわけもないんですけどね。」
「なので、友達も大募集中で、恋人も大募集中です!」
と、地元よりも少し都会な今治での生活を話してくれました。
仕事の課題と一緒にオフの有効利用も彼の課題のようです。
これからのこと。
若棟梁の話によると、
「りんくんはよくできると思いますよ。この仕事が好きやから熱心に勉強しようという姿勢がある。始めから結構よくできてましたし。」
「やっぱりあとはプライベートの充実が必要ですかね。」
と話すように、彼の仕事ぶりは先輩方からの評価も高いようで、現場に行くといいいじられっぷりで、すっかり愛されキャラでした。
そんな彼が抱く将来像は、
「もちろんこの小林建工という会社で、この仕事が好きで、今はほんとに仕事があることを嬉しく思ってますし、いろんな現場で勉強できていて充実してます。」
「この仕事でどんどんスキルを身につけて、10年とか15年後くらいには自分も独立したいですね。棟梁になって弟子をとってやっていきいたいです。」
とその大きな目標を語ってくれました。
効率と低コスト化が進む現代建築の中で、真逆を突き進む、じっくりオーダーメイドの、それぞれの土地に合った素材・製法で作り上げる建築方法。
建築業界の方の話を聞くと、やはり職人の若者不足という現状を耳にします。
そんな中、遠く島根からやってきた若者が、総無垢建築の継承者として歩み始めています。
こうした若者に、今治を魅力に思ってもらい、今治でこの先も仕事をしたいと思ってもらえるような街であることが大事なんだと思います。
若き職人。舟木麟太郎。
これからの彼の将来に期待したいですね。
小林建工
舟木麟太郎