最古参のベテラン。変化した二刀流で、今治にさらなる力を。
最古参のベテランが持つ危機感と、可能性。
毎年恒例のFC今治の選手紹介!
2人目のご紹介は、チーム最古参のベテランとして、今シーズンも安定した守備を披露する背番号6番DF中野圭選手です。
ピッチ上で見せるファイターと、家で見せるパパの素顔。そして、チームスタッフとして戦う営業マンの姿。そのすべての魅力が詰まっています。ぜひ最後までご覧ください。
ベテラン勢加入の大きな存在感
シーズンは終盤戦に差し掛かっているものの、あまり聞く機会のなかった今シーズンのチームについてお伺いしました。客観的にチームを見る中野選手ならではの視点をぜひお楽しみください。
ーー随分と前の話になってしまいますが、今シーズンを迎える時に、多くの実績のある選手が加入しました。
ぼくらも加入はチームのリリース情報でしか知らないので、リリースが出るたびに「あの人来るんだ!」っていう感じでしたね。
みなさんと同じ感覚だと思います。
ーーあまり悲観的な感じではなかった。
もちろん同じポジションの選手もいたので、うかうかしてられないなという気持ちにはなりましたけど、チームが強くなるだろうなという気持ちの方が強かったですかね。
いいライバルができたなという感じでした。
ーー中野選手よりも年齢的に上の選手が多く加入した。
やっぱりそこは大きいです。ぼく自身が「みんなを引っ張っていく」というのがあまり得意ではないので。実はそこがプレッシャーになったりもしていました。
本当はやらなきゃと思うんですけど、なかなか。。。
ーー精神的に支えになっている。
そうですね。チーム全体としてもそうですし、自分個人にとっても、プレーに専念できるというのもあると思います。
ーー今年度から、FC今治のスタッフとしても活躍しているとか。
今までは高校の先生との二足のわらじだったんですけど、今年の3月で退職して、FC今治のバックオフィスのスタッフとして主にスポンサー営業を担当しています。
ーー大きな環境の変化ですが、もう慣れましたか。
まだまだ全然ダメですね。
うまく喋れてもないですし、まだまだ教えてもらうことばかりです。
ーー新規の営業なんかも行かれるんですか。
いきますよ。普通に営業してます。
感じる成長部分と危機感
ベテランの加入により、安定感こそ出たものの爆発力も少なくなり、勝ちきれない試合が多くあることも事実。優勝を目指すチームに感じる危機感もあるそうです。
ーー監督も替わった今シーズンのチームはどんな風に見ていますか。
まず練習の強度も上がりましたし、戦い方もガラリと変わりました。
ーーすぐに適応できましたか。
昨年までのやり方で慣れてしまっていたところもあったので、最初はとまどいもあって少し時間はかかりましたけど、サッカーはサッカーなので。
11人で攻めて11人で守って、勝つという目標に向かうだけですよ。
ーー今シーズンから2部練習も行っている。
始めはキツかったですね。汗
ーーちょっと痩せたかなという印象があるんですけど。
いや、体重はそんなことないですよ。でもそう見えるってことはもしかしたら少し絞れたのかもしれませんね。
ーーベテランの加入で、チーム内に変化は出ましたか。
確実にあると思います。悪くなったときの修正がやっぱり早いし、その修正が自然とできるようになってきたと思います。
チームとして一つ大人になったのかなと。
ーー負け試合が少なくなりましたよね。
負けないチームになってきたとは思います。負けるかもという局面でも追いつけたり、勝ちきれる試合も増えていると思います。
ーーそれでも王者には勝ち点を離された。
まだまだ選手全員の気持ちが一つじゃないのかもしれません。毎試合、目の前の試合に全力でぶつかるということが徹底できてないのかもしれないです。
ーーそれでも昇格は見えてきている。
そこなんですけど、結局J3へ上がった後のことを考えていてはダメだと思うんです。
まだ何も決まってないので、もちろん優勝もなくなったわけではないですし。その先を考える意味はないと思っています。
だから、目の前の試合に絶対勝って、優勝するんだという気持ちを強く持つことがこれからもずっと大事だと思っています。
ーー緩みがあったと。
緩みかどうかはわかんないですけど、J3へ上がれるかどうかというよりも、目の前の試合に集中できていないことの方が危機感はあります。
ーー先日、Jリーグのヒアリングでも観客数の伸びを指摘する声もあった。
正直今の水準が多いのかと思ってました。それだけに少ないって言われて、そこもまずいなと感じましたね。カテゴリーの問題もあるかもしれないですけど。
今できることを全力でやるっていうことをもう一度徹底していくことが大事だと思います。
最大の癒しは家族
子煩悩としても知られる中野選手。もっぱらストレス解消は二人のお子さん。趣味もそこそこに、子育てに没頭しているようです。
ーーやはり今でも癒しはお子さんですか。
いや、前にインタビューされた時よりもさらにって感じです。笑
ーー勤務が変わって会う時間も増えましたか。
そこも大きいですね。
前の職場では帰ったらもう寝てる時間だったので。今は、子どもたちが起きている時間に帰れるので、深まってます。笑
ーー中野選手はいろんな選手のSNSにも登場しないですよね。
ほとんど他の選手と遊ぶことないですね。オフは、家族で過ごしますし。練習後も仕事がありますしね。
ーー家族とはどこに行くんですか。
あんまりどこって決まったところはないんですけど、しいてあげるならイオンに行くことが多いですかね。定番ですけど。
つい先日は日曜日がオフだったこともあって、四国カルストまで行ってきました。
ーー上の子が幼稚園に入ったんですね。
そうなんですよ。
今度運動会があるので、そのためにビデオカメラも新しいの買いましたよ!
ーー見に行けるんですか。
いや、移動日でいけないのでぼくはそのビデオで鑑賞します。涙
ーー試合にお子さんも来てるんですか。
見に来てくれていますよ。
ーー観客の中から見つけることができますか?
だいたいどの辺ってのはわかってるので、試合前に手を振ったりしてますよ。
ーーお子さんはパパがサッカー選手だということは認識してるんですか。
わかっているみたいです。頑張りますよ。
ーー以前は買い物とか、たまには飲みに行っていると言っていましたが。
買い物はたまぁにしてますけど、飲みに行くのはもうほとんどなくなりましたね。
今は家族との時間で癒されています。
目の前の試合をしっかり勝つ。可能性がある限り。
負けず嫌いの中野選手も、先を見過ぎないように、目の前の試合に全力を注ぐことを重要視します。そして、実はこっそり今シーズンの目標も掲げていたようです。
ーーHonda戦を終えて、いかがですか。
まだ優勝が完全になくなったわけではないので、1つ1つ勝っていくしかないです。
ーーまだ残り7試合あります。
自分はまだコンスタントにスタメンで出れているわけではないので、まずは残り試合を全部スタメンで出場することが目標ですね。
ーーそこで、しっかり勝っていく。
相手は関係ないと思うので、しっかり目の前の試合を戦っていきます。
ーーまだゴールもない。
もちろん点を取りたい気持ちはいつも持っているので、ゴールも取りたいですね。
ーー今シーズン、激しい中野選手が出ていないですよね。
そうですか?そう見えてたら嬉しいです。
実は今シーズンの目標の一つは、「キレない」なんですよ。笑
ーー意識して減らしているんですね。
まあそれでもまだたまに出ちゃうんですけど、そう言ってもらえるってことはちょっとはできているんだと思います。
ーーぜひ残り試合頑張ってください。
ありがとうございます。
普段は優しい表情の中野選手は、ピッチ内ではファイターで激しい姿がよく見られます。ただ、今年は意識的に激しさを抑えるように心がけているようです。
怪我で出遅れたシーズン、DFとしてのライバルも多くいる中で、スタメンを確保しつつあります。
職場も、業種もガラリと変わった環境の中で、癒しとなるお子さんにパワーをもらい、昇格はもちろん、優勝への挑戦をやめることはありません。
ピッチの内外でのギャップを楽しみながらプレーでチームを導く姿をぜひスタジアムでご覧ください。