パパになったエースのさらなる進化。チームの顔としての責任感。
公私ともにパワーアップして次のステージへ。
毎年恒例のFC今治の選手紹介!
3人目は、エースとしてチームを引っ張る背番号14番FW桑島良汰選手です。
昨年からさらにパワーアップし、エースとしての自覚はもちろん、パパとなって迎えた今シーズン。自覚も芽生えて挑んだ今シーズンのお話をぜひ最後までお楽しみください。
チームの変化への順応
2019シーズンは、監督が替わり戦術なども大きく変化したこともあり、始めはとまどいもあり、適応するのに時間がかかった桑島選手。次第に順応し、経験のあるベテランとの競争に打ち勝ち、スタメンとしての地位を確固たるものにしつつあります。
ーー昨シーズンから、大きくメンバーが変わりました。
まあなんとなくすごい人くるだろうなぁというイメージはありましたけど、やっぱり来たって感じでしたね。
ーーかなり冷静ですね。
なんか入ってきた選手よりも、出て行った選手の方が衝撃でしたね。
上のカテゴリーに行く選手がいたりしたので「行けるんだ〜」て感じでした。
すぐに地元に戻ったりしたので知らなかったので。
ーー移籍を考えていたんですか。
ぼくは残るって決めてたんですけど、上にもいけるんだって結構びっくりしましたね。
ーーチーム内の変化はいかがですか。
やっぱり上の選手たちは、いろんな窮地とかを経験してるので、場数が違うんだと感じましたね。
ーーそれはどういったところで。
一回、駒さん(駒野選手)が全体ミーティングを開いた時があったんですけど、そういうことはたぶんぼくたちできないですし。気を引き締めるタイミングとかがわかってるんだなって。
満足のいっていない今シーズン
今シーズンはここまで7ゴール。目標の2桁にゴールにも及ばず、昨シーズンよりも少ないペース。今シーズンの自分自身の変化や、ここまでの成績についてはまったく満足していない様子でした。
ーー今シーズンは前半戦はあまり出場機会がなかった。
正直なかなか新しいシステムにアジャストできなかったですね。
ーー監督も含めていろいろ変わりました。
自分を引っ張ってくれた高司さんや、吉武さんなども、自分の良さを知ってくれる人たちがいなくなったので、ゼロからのスタートという感じで挑みました。
ーーそこから後半に行くにつれてスタメンを獲得。
新しいやり方の理解も進んできましたし、チームのやり方も始めに比べるとだいぶ変わりましたしね。
少しずつ出場機会が増えてきましたね。
ーーここまでの自己評価はいかがですか。
全然足りないですね。合格点には全然届いてないんじゃないですかね。
ーーどの辺がですか。
まずゴールも少ないですし、1試合に複数得点が今シーズンないんですよ。
それでチームが勝てた試合もあったはずなんで、満足は全然できてないです。
ーーそんな中で、昨シーズンからよくなった点、悪くなった点をあげてください。
よくなったところは、確実に運動量は上がったと思います。小野監督になって練習にも2部練(午前と午後2回の練習)があったり、走るトレーニングが増えたりしてるで、そこに意識して取り組んでいると、今年から自分の強みになっていると思います。
まだまだな点は、試合の立ち上がりですね。前半の前半部分のエンジンのかかりが遅いのが毎年の課題になっていると思います。
ーー今シーズンから内村選手も加入しました。
ウチさん(内村選手)にはかなり影響受けてます。J1でかなり得点もとっていましたし。
それほど体の大きさが際立つわけでもないのに、体の使い方がめちゃくちゃうまいですし、背格好も同じくらいなのに、ボールもめちゃくちゃ収まるし。
いろんな部分を参考にさせてもらっています。
ーーコツを聞いたりもしてるんですか。
教えてもらったりしてますけど、結局最後は数をこなさなきゃってことになりますね。なかなか言語化も難しいみたいです。
パパになってもうすぐ1年。
今年の桑島選手の大きな変化は、新しい家族が生まれたということ。今はプライベートの時間はほとんど家族との時間に当てて、責任もさらに重くなり、サッカーを頑張るモチベーションにもつながっているようです。
ーー今年の大きな変化は、お子さんが誕生した。
存在は大きいです。頑張らなきゃと思う回数も増えましたし、さらに身が引き締まる想いですね。ふとした時に思ったりしますね。
ーー家ではどんなパパなんですか。
まだ全然子育てみたいなのはうまくできてないと思います。奥さんに言われたことをやってる状況なので、全然だと思います。笑
ーー苦戦しているんですね。
パパになって思いますけど、コウスケさん(太田選手)めっちゃすごいって思いますね。
家でもめっちゃパワフルでタフに遊んでたりして、パパが一番はしゃいでるっていうのはすごすぎますよ。
ーー見習いますか。
いやぁあそこまでできるかはわかんないですね。笑
ーーオフの日は家族と過ごす時間が増えましたか。
前よりもやっぱり増えましたね。最近はあんまりチームメイトとどこかに行くこともなくなりましたね。
ーーコンディション管理も奥さんの存在が大きい。
そうですね。それは間違いないと思います。
最後の3試合で全てが決まる
昇格の可能性も絶対的ではなく、優勝の可能性もゼロではないという立場。エースが描く未来図は、まだまだ得点への貪欲さが見え隠れします。諦める気はさらさらなく、さらなる得点、勝ち点を積み上げていきます。
ーー残りシーズンは非常に難しい位置にいる。
前監督の吉武さんがよく言っていた言葉で「シーズンは残り3試合で決まる」という言葉があったんですけど、FC今治に入った時からずっと言われてきていたので、まさにその通りになるのかなという気がしてます。
ーー可能性はありますよね。
そうです。残り3試合まで全ての可能性をつないで、全力を注げるようにしていきます。
ーー残り試合をどう戦っていきますか。
現状のゴール数だと、昨年よりも得点が少なくなってしまいますし、成長できてないようになってしまいます。
二桁のゴール数は絶対的な目標なので、そこは間違いなく達成したいですね。
さらに上のステージで勝てるチームになる必要がある中で、今のサッカーにプラスアルファが必要ですし、苦しい時間帯をいかにはね返せるかの部分を、残り試合で成長できるチャンスにしたいです。
ーーまだまだ得点が足りない。
もちろんです。ぼくの場合は、FWの人がとるとか関係なく、誰がとっても嫉妬しちゃうので、ゴールへの欲望はずっとあります。
ーー今シーズンの最後は夢スタで終わる。
最終戦が夢スタで終わるので、消化試合になんてしたくないですし、観客にもいっぱいきてもらって、そこで昇格と優勝を。
昨年の最後のホーム戦は地獄だったので、あんな想いはもう二度としたくないですね。
最高の瞬間を迎えたいですね。
ゴールへの欲求が薄れることなく、むしろさらに渇望している桑島選手。
チームの成績も、個人の成績にしても全く満足していない様子が終始伝わるインタビューでした。
フラストレーションがたまる中で、最後の3試合で全てを爆発させるための助走だと。そう期待せざるをえません。
ゴールに加えて、走力という武器をさらにプラスされたピッチ内。新しくパパになったピッチ外。さらなる活躍が期待される要因は数え切れません。
今治に来て3シーズン。チームの中では古参にもなるエースが目指す先は、まだまだ遠くにあるようです。