進化を続ける長身FW。新たな武器をひっさげて優勝への最後のピースに。
プレーの幅がさらに拡大、愛される存在へ。
毎年恒例のFC今治の選手紹介!
4人目は新しいチャントも注目、子どもたちにも大人気の長身FW背番号29番FW飯泉涼矢選手です。
子どもたちからも大人気のチャントを今年からゲットした飯泉選手。FWとしての活躍はもちろんですが、9月からはDFにもチャレンジすることで、プレーの幅が格段に広がっています。その内なる心の部分も覗かせていただきました。
ぜひ最後までご覧ください。
ライバルの加入はプラスに。
昨シーズンから大きな補強でライバルが増えたことをプラスに捉え、自分の成長の機会と捉えた飯泉選手。出場機会に多く恵まれているわけではない中で、どう自分の魅力を出していけるか。またはどう得点をあげることができるのか。
ーービッグネームが続々と加入した時はどんな心境でしたか。
個人的にはプラスの印象でしたね。経験のある選手たちと一緒にプレイするのは今まではもちろんなかったですし、嬉しいなという気持ちが先にきました。
ーーポジティブな印象だったんですね。
もちろん同じポジションのウチさん(内村選手)がきたので、出場は少し厳しくなるのかなという気持ちも少しはありましたよ。
自分が成長できる機会にもなると思ったので、アドバイスなんかももらえるでしょうし、同じポジションだとしても、いろんなところを盗めるかなという気持ちでした。
ーー昨年と今年でチームの変化は何か感じましたか。
昨シーズンまではチーム的にも若かったのかなと思います。もちろん自分も含めてですけど。
それが今年は経験のある選手が増えたことで、大人のチームに少し変化したかなと思っています。
ーースタイルもがらっと変わった。
それもありますね。まあどのサッカースタイルを採用するにしても、どれも一長一短あるので、どれがどうとかはないです。
監督のやり方をしっかり理解して、自分の良さをそこにプラスしていくことは変わらないです。
ーー適応できてきている。
大学の時のサッカー部は、常にタイトルを課せられていたプレッシャーを感じながらやっていたので、今年は少しそれに似た雰囲気を感じますね。
新たにCBという武器。
今シーズンは、ベンチに座る機会は多くあるものの、出場時間は後半のみという出場がほとんど。スタメン出場もなかなか勝ち取れないシーズンになっていたときにふっと出てきたディフェンダーとしての出場。学生時代に経験もあったポジションにプロとして新たに取り組み、プレーの幅が広がっているようです。
ーー今シーズンはなかなか出場時間が伸びない。
そうですね。なかなか信頼を獲得できていません。
ーー原因はどこにあるんでしょうか。
監督が大事にしている守備の部分がまだまだ力不足なんだと思っています。
うまく求められているものを返せてないのがもどかしくもありますね。
ーー少ない出場時間でもゴールを決めることができている。
少ない時間でもゴールを奪う自信はもちろんありますし、今年はいろんなアイデアも増えてきています。
前に早い攻撃のスタイルでも、ぼくみたいに体がでかい選手がしっかり収めることができたらもっとチャンスは広がるので、そこでもっと信頼感を与えることができると、戦術にしっかりフィットしてくるんだと思います。
ーー昨シーズンから伸びたなと感じるところはどんなところですか。
いろんな場面で少しずつ伸びていることは実感しています。
前への推進力だったり、フリーランニングやポジショニングの部分もうまくなってきているのかなと。
ーー逆に課題点は。
やっぱり守備の部分もありますし、先ほども言いましたけど、ボールを収める部分だったりがまだまだ求められているレベルに達していないのかなと思います。
ぼくはFC今治の中では背は高い方ですけど、Jリーグの中では普通くらいなので、もっといろんなことができなきゃいけないと思うので、もっといろんなことができなきゃいけないとも思っています。
ーーそんな中、前節はCセンターバックディフェンスの真ん中)での出場。どんな経緯で出場したんですか。
実は1ヶ月くらい前からCBで練習する機会があったんです。
シーズンも終盤にさしかかって、怪我も出てくる中で、一つのオプションで後ろでの起用の声がかかりました。
ーー抵抗はなかったんですか。
最初はやっぱり「FWとして信頼されてないのかな。」という気持ちにはなりました。
ただ、昔はセンターバックもしてましたし。ボランチやってと言われたら厳しいかなと思いますけど、センターバックなら良さを出せるなと思いました。
ーーやってみていかがでしたか。
ネガティブな意見ももしかしたらあるかもしれないんですけど、個人的にはFWの気持ちがわかるようになったり、こんなこともできる!っていう自信になる部分があったり、新しい発見ができたり。
FWをやるにしてもプラスになるんじゃないかと思っています。
ーーFWとして活躍できないもどかしさは。
それはもちろんありますけど、正直少し前からFWとしてこれから上のステージでやっていく中で、もっと武器がいるなと感じていました。まだまだ足りない部分が多いなと。例えば、上のステージに上がれば海外の選手をとったりとかで出られなくなることももちろん考えられますよね。
そんな中でCB起用の声がかかって、さらに試合でフル出場できたことは、負けた試合でしたけど、すごくホッとしたし、嬉しかったんです。
ーー試合に出ることがなにより大事。
サッカー選手でいる以上、やっぱり試合に出れないのはつらいんです。
ぼくのことをFWとして見てくれている人からすると少し残念に思われるかもしれないんですけど、めちゃくちゃ点取れるCBとかもいいじゃないですか。実際長くプロでやっていく中で、いろんな武器を持つことは大事だと思っているので、新しい可能性の一つとして見てもらえると嬉しいです。
今治の魅力にどっぷり。
SNSなどの発信を見ても、すごく今治、愛媛を堪能している印象のある飯泉選手。実は自然が大好きで、どこを切り取っても楽しめて居心地がいいということ。そしてなによりファンとの接点を大事にしたいという想いもあるようです。
ーーよくクラッキと遊びに行ってますよね。
まあよく遊んでますね。笑
あと、最近はじゅんくん(有間選手)とも出かけたりしてます。
ーーオフの日はいつも外に出るんですか。
ぼくはあんまり家にいるの好きじゃないんですよね。
なんかオフの日はとりあえずゆっくり寝る!というよりは早起きして満喫したいっていう気持ちになるので、とりあえずでかけます。
ーーどこに行くことが多いんですか。
今治だけじゃなくて、西条とか新居浜とか、島にも行ったりしますね。
あと、ぼくパンが大好きなんで、パン屋さんは探していっぱい行きますね。
ーーだいぶ英語も上達しましたか。
いや〜そこはどうですかね。
ただ、日本語を話せない人と、コミュニケーションとる能力は上達したと思います。笑
ーーお気に入りのスポットとかはありますか。
今治の好きなところは、人の集まらないところにも魅力があるんですよね。自然でリラックスできるところに、ごみごみした人もいないので、ゆっくりできるところがめちゃくちゃいいですよ。
自然好きなので。
ーー今シーズンから飯泉選手にはノリノリなチャント(応援コール)が誕生した。
あーあれですね。
昨年のオフシーズンに、SNSでいろいろ交流してたんですよ。シーズンが終わって次のシーズンまで4ヶ月空くんですよね。そのシーズンの熱量を冷めさせたくなかったので、なんとかしてコミュニケーションをと思ってたんです。いろいろ話していた中で、チャントが個人にあればっていう要望したら、作ってくれたんですよ。
ーーみんなノリノリですよね。
嬉しいですね。なんとかしてサポーターの人たちと、せっかく作った熱量をずっともっていてもらいたいですよね。
ーーめちゃくちゃいい取り組みですね。
なんか、試合が終わってサポーターのみんなで飲みに行って、その帰り道にチャントとか応援歌とか歌って欲しいじゃないですか。
それが街に根付くってことだと思うんですよね。そういう機会が増えて欲しいんです。
ーーぜひSNSでの交流とか発信はオフシーズンに限らずしてほしいです。
確かにそうですね。いろんな心境も書いていきたいですね。
遠くの目標はあえて決めない
今シーズン初のフル出場後に受けていただいたインタビュー。FWとしての出場ではないながらも、チームの一員になれたという気持ちが大きく、残り試合も特別に遠くを見るわけではなく、目の前の試合に集中していきます。
ーー残り試合も少なくなってきました。
センターバックとしてですけど、フル出場したことで、今シーズンはようやくチームの一員に戻れたという感覚になりました。
これまでは全然チームのプラスの力になれてないという気持ちだったので。残り試合はやっぱりチームに貢献したいという気持ちが強くありますね。
ーー具体的な目標数値はありますか。
ぼくはあんまり目標決めるの苦手なんですよ。なので、遠くを見るんじゃなくて、本当に目の前の試合を。さらには目の前のプレーを一つ一つクリアしていきたいと思っています。
ーーポジションはどちらでも。
そうですね。応援してくれている人たちにとにかく自分がプレイしてる姿を見てもらいたいですね。
戦ってる姿を見て欲しいですね。
ーーゴールシーンを見たい。
そうだと思います。どのポジションで出ても、常にゴールは狙っているので。
FWで途中出場の10分よりも、DFとして90分の方が得点チャンスも増えるかもしれないので、どちらにしても点をとって自分がチームを勝たせたいという想いは強くあります。
ーーそれで優勝と昇格を。
そうですね。実現したいです。
話したい内容があまりにも多く、予定時間を大幅に超えていろんな話をすることができました。
ただチームを勝たせたいという気持ちにとどまらず、街の人、ファン・サポーターに愛されるべく、どんなことをすればいいのかまで考えることのできる若武者です。
子どもたちからも大人気の飯泉選手の笑顔は、ゴールを奪った時、勝利を勝ち取った時、そして、ファン・サポーターが喜んでくれている姿で爆発します。
つながりを大切にする選手。今シーズンは新たなポジションという武器をひっさげ、さらに上を目指しています。
果てしない挑戦の先に、明るい未来が待ち受けているはずです。