【コラム】息子に違和感。発達障害の可能性に気づくまで(高橋歩美)
はじめまして。
地元今治で就職し、子育てをしながら働いている32歳の女性です。同い年の旦那、5歳の長女、3歳の次女、2歳の長男の5人暮らしです。
このうち2歳の長男には発達障害の可能性があります。
自閉症グレーです。(グレーとは、発達検査などを反映できる年齢に達しておらず、診断も降りていないどっちつかずの状態のことを言います。)
子育てをする中で自分のお子さんの成長に不安を覚えるのは少なからず誰しもあることだと思います。
「うちの子大丈夫なのかな。」「心配だけどどこに、誰に言えばいいかわからない」「何からすればいいのだろう」「このままでいいのだろうか」そんな漠然と不安や悩みを抱えている方も市内には案外多くいるのではないでしょうか。
実際私は息子の異変を感じた時、まずどこに行って、誰に言って、何をすればいいのかわかりませんでした。
その上、正直事実を受け入れるのも難しい、何が事実かもわからない、子育ては毎日やってくる、、そんな状態の中、手探りで無心で動く日々が続きました。
そんな我が家の実体験を交えつつ、知り得たこと、感じたことを計6回に渡って綴っていこうと思います。
自分のお子さんには関係ないという方も、いつか自分の子が成長し、進んでいった先にこういった「困りごと」を抱える子に出会うかもしれません。
いつかのその時のために、こういった「困りごと」を抱える子たちのことを少しでも知っていてもらえると親として本当にありがたいと思います。
母として私のできることは息子の特性を知りそれを周囲に伝えて理解してもらうこと。逆にこれ以上してあげられることはないのではないかと最近感じています。読みにくい部分もあると思いますが最後までお付き合いいただけると幸いです。
第1回 息子に違和感。発達障害があるのではないかとわかるまで(1歳~1歳半)検査
第2回 療育を始めよう。(市役所、支援センター、病院、相談事業所を決める)
第3回 療育施設を決める(実際に見学体験する)色んな会に参加しよう
第4回 どんな子に育てたいか
第5回 療育は丁寧な子育て
第6回 周りに頼ること・自分を信じること・子どもの可能性∞
第一回 息子に違和感。発達障害があるかも。
今から1年半前の2017年冬。長女が4歳。年少さん、次女は2歳でおむつは外れていたけれど一人ではトイレには行けない状態の頃でした。
8月に一歳を迎えた長男は、
母 「かなたくーん」
息子「はーい!」
母 「何歳ですか?」
息子「(指で1を作り)」
母 「ひとーつ。じょうずにできましたね~」
息子「(手をパチパチ)」
という姉たちにも行ってきた「なんさいでちゅか~」のやりとりをしながら楽しんでいました。
それが11月頃になると名前を呼んでも振り返らなくなったり、私たちのことを無視するような素振りを見せるようになりました。変だな。と内心思ってはいましたが中耳炎が重なっていたこともあり「聞こえにくいのかも」とも思っていました。
しかし12月に入り心配になり地元の耳鼻科で相談してみることに。そして中耳炎が落ち着いた年末に聴力検査をしてみることにしました。
1歳4か月なので暴れてうまく検査ができなかったのもありますが右耳が「難聴」という結果が出ました。そして医師の計らいによって翌日に愛大病院への紹介状が出されました。
翌日の聴力検査ではたまたま寝てくれたおかげもあり正確な検査ができ、そこでは「聞
こえは良好」であるという結果に。
ただし、脳が反応しているかは別問題だということで1か月後、聞こえの脳波を調べることになりました。そして翌年の2月、同じく愛大病院で脳波をとりました。この時は薬で眠らせての検査でした。結果は「異常なし」でした。
息子の異変に気付いた辺りから、私はなんとなく息子には発達障害があるのではないかと感じていたので、医師にも今までの様子や私の不安を伝えると、可能性はあるかもしれないがまだ小さいからわからない。との返答でした。
それからは生まれつき水腎症もあったので、かかっていた県病院でてんかんの脳波を調べたり、MRIを行いました。検査が終わり脳波も脳のMRIにも異常がないとわかったのは同年の5月、1歳8か月のことでした。
何もないことにほっとしたのも束の間。発達の様子などを踏まえ、初めてこの時に医師から何らかの発達障害の可能性があると告げられました。
その言葉を受けた日は、わかっていたはずなのになんだか悲しくなりました。これだけ自分で疑い続け、覚悟はしていたのにいざ言われると不思議な気持ちになりました。
ただ、診断はあくまで可能性があるとのことだけでしたし、この時同時に療育施設の紹介を受けたので、泣いている暇はなく、すぐに次の行動に移りました。
この時にやっと遅めのスタートラインに立った感じでした。あの日色んなことを一瞬に考えましたが、一つだけ確かなことは、医師の診断があろうがなかろうが変わりがなかったということです。
よく診断が出たら考えようとか、誰にも何も言われてないからまだ、、、という方も聞きますが、医師に言われようが何しようがその子の困りごとや生きづらさに変わりはありません。
できるだけ早い段階で気づいてあげることに越したことはないのだと私は感じました。
次回はそこからどう動いたかの流れを詳しく書こうと思いますが、早くこの先にどうしたのか知りたいという人のために、簡単にだけ書いておきます。
私の場合、医師の紹介により、まずひよこ園を紹介され電話をし、この先の流れについて伺いました。そして翌日には市役所に行き、その翌日には発達支援センターに相談をし、療育施設を利用するために必要となる書類の申請を行うための準備を始めたり、市内にある療育施設に見学の申し込みをしたり、相談事業所を決定したり、とにかく連日がむしゃらに動いていました。
それと同時に発達外来がある済生会に予約をしました。
気を付けていただきたいのは、私がここに挙げたのはほんの一例です。
医療機関や療育機関の名称など挙げましたが、そこでなければならないとかそこしかないというわけではありません。これはあくまで私の場合こうだったというだけのほんの一例であることを忘れないでください。
高橋歩美