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ばりじんNo.51。スタイリングカウンセラー・大澤もとこさん 〜Job marche〜

愛媛の”キレイ”をサポートする。

今年度から始まった「Job Marche 〜働けるいまばり〜」の記事が今日から次々と公開されます。

20名近くの、今治で働く女性を取材しました。ぜひ2月いっぱいは、この「Job Marche」シリーズをぜひお楽しみください。

ばりじん51人目のご紹介は、スタイリングカウンセラーの大澤もとこさんです。

バリバリ働くビジネスマンから一転、独立して自分の好きなことを仕事にした女性の魅力的なインタビューになっています。いろんな側面を持つ大澤さんを余すところなくお届けします。

ぜひ最後までご覧ください。

手に職を目指した学生時代

高知県四万十市に生まれた大澤さん。大学から単身東京へ向かうものの、就職で四国へ。ファッションは好きなものの、全く異なる職業へつくことになります。

ーーどんな学生時代を過ごしていましたか。

高校は農業高校だったんですけど、母が薬剤師だったこともあって、なんか資格をとれって言われてた気がします。手に職を!みたいな。

ーー今治のご出身じゃないんですよね。

高知県の四万十市です。愛媛との県境の田舎です。そこに高校卒業までいました。

ーー大学はどちらへ。

東京に行きました。こちらも農業大学で、環境栄養学科という学科でした。

高校時代は畑とか酪農とかやってたんですけど、大学に入ってからは、より理系でしたね。バイオとかそっち系です。

ーーそこではなにを。

母の言いつけを守って、管理栄養士の資格の勉強をしました。料理も好きでしたし。

ーーそこから東京で就職ですか?

東京で就職したいというの気持ちはかなりあったんですけど、これまた母が「四国へ帰ってこい」というのをずっと言ってたんですよ。

そこから母とはしばらく口もきかない冷戦状態になっちゃって。笑

結局それで私が折れちゃって、こっちで就活はしました。

ーー戦争状態だったんですね。笑

私もいろんな手をつくして、父とか親戚とかから周りを固めて攻め込んだんですけど、崩せずに敗戦しました。笑

ーーそこから愛媛ですか?

そうです。そこから今治の会社に就職しました。

楽しさと限界を感じる社会人時代

母との冷戦に敗れ愛媛で就職することのになった大澤さんですが、入った会社では楽しい部分も多くあり、いろんな勉強もできた側面もあるものの、女性という立場での限界も途中で見え始め、次第に熱が冷めていったようです。

ーー会社員時代のお仕事はどんなことされていたんですか。

やりたかったのはやっぱり理系出身ということもあったので研究開発みたいなことだったんですけど、事務職でした。笑

結局研究開発の部署に行くことはなかったんですけど13年間いて、いろんな勉強ができましたね。

ーーどの部署が楽しかったですか。

最後にいた商品企画の部署にいた時は楽しかったです。マーケティングとか販売促進とかだったんですけど、もちろんめちゃくちゃ忙しくて大変だったんですけど、勉強にもなりましたし、やりがいも感じる体験でしたね。

ーーどんなきっかけで辞めることになったんですか。

これは今の環境とは全然違うと思うので、全部「当時は」という言葉がつくんですけど、“女性である”ということの限界を感じたのが大きかったですね。

ーーそれはどんな部分で。

もう20年くらい前なので今とは全然違ってて、育休とか産休の駆け出しというか初期だったこともあって、社会全体としてそんな空気もなかったので、妊娠・出産で休めばキャリアアップは望めないという雰囲気はありましたね。

このままいても正当な評価ってもらえないかもしれないかなって。そうなると私の24時間ってなんなんだろうって立ち止まることが多くなったんです。

ーー確かに”昭和感”のある制度は多くありました。

それと、私”忖度”みたいなのがすごく苦手で、それができなかったのもあるかもしれないです。組織で正論言っても全然意味がないってこともありますしね。

ーーたしかにあります。

私たちが入社した当時の同期とかも、やっぱり大きな組織で活躍できる人は少なくて、なんか筋肉めちゃくちゃマッチョになったけど、その能力を生かしきれないまま仕事してるみたいな。そんな気持ちが強くなったので、退職しました。

ーーそこからスタイリングのお勉強を?

そこからまた違う会社に、研究開発ができるということで転職したんですけど、転職したはいいものの、なんか全然希望の部署に配属されなくて、「これはダメだ!」と思って1年経たずに退職しました。

その会社に勤めていた時に今の所属している団体の理事さんにお会いする機会があって、そこがファッションの道に入るきっかけになりました。

ロジックをまとい、センスで自分を表現

会社員生活を辞め、スタイリングカウンセラーとして活動を始める大澤さん。人生100年時代に、自分が何をしたいかを突き詰めています。

ーースタイリングカウンセラーのお仕事ってどんなことをされるんですか。

一番わかりやすいのでいうと、テレビに出ている方の衣装を選んだりするのもお仕事の一つです。

私が所属するISCA(国際スタイリングカウンセラー教会)の代表は、40年くらいテレビタレントさんのスタイリストをしていたりします。

ーーそれを個人にもしているのが今の活動。

そうです。もともと服が好きだったのもあるんですけど、人に似合う服を見つけるのもすごく好きだったんです。

実は服の似合う似合わないって理論で説明できちゃうんです。こういう雰囲気の人はこの色とか、こういうタイプが似合うとか。そこに、自分の色であるセンスをちょい足しするという感じなんです。

私は理論で説明するっていうのは得意でしたし、いけるかもって。

ーーなるほど。普段服を買うとき理論なんて考えないですもんね。

それをコーチングさせていただいているのが今の大きなところですね。

今は企業さんとコラボさせていただいたりもしてますし、芸能事務所のスタイリングレッスンとかにもアシスタントで入らせてもらったり、ワークウェアの開発の相談だったり、いろいろやってます。

ーースタートしてどれくらいなんですか。

3年目に入ったところですね。まだまだですね。

ーーこれからやっていきたいことはありますか。

もちろん個人の方々のスタイリングもやっていきたいんですけど、企業さんとのコラボもいろいろやっていきたいと思っています。

大阪とか東京だと、スタイリングカウンセラーっていう仕事は激選区なんですけど、今治だとあんまりいないので、今も勉強で都会に行ったりしてます。

昨年はTシャツアートのイベントも開催したんですけど、イベントの企画も楽しいものを作っていきたいですね。

ーーTシャツアート展行きました。

ありがとうございます。あれって実は私の地元の高知県から始まってるんですよ。美術館がない町で、砂浜を美術館に見立ててTシャツ作品を並べるっていうイベントがスタートなんです。砂浜美術館 HP

いろいろ大変なこともありましたけど、今治でも反響が多くてやってよかったなと思っています。

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ママが一番できない人

ーー大澤さんは2児のママでもありますよね。

そうなんですけど、ウチはみんなが独立してるんです。

ーー独立とは?

家族みんなが「個」なんです。家事もそうですし、習い事とかもすべて自分たちで判断する家なんです。

必要なのものは自己申告ですし、料理以外はもうみんなでシェアしている状態ですね。シェアハウスです。笑

ーーそれはすごい。

息子から、ママが一番ダメって言われることもあるくらいですからね。子育てがどうとかいえないと思います。笑

ママが一番ジャイアンだよねって言われますし。笑

ーーいつからそんな状態なんですか。

仕事との両立で、途中で爆発しそうになっちゃったんですよね。

「全部私がしてるからパンクするんだ!」ってなってから、みんながそれぞれで頑張ったほうがいいじゃんってなって任せるようになりましたね。

ーー仕事と子育ての両立の中で、ストレス解消できることはありますか。

服を買うことでした。会社員時代は着ないのにバカみたいに買ってましたね。笑

今は好きなことを仕事にできているので、そんなことほとんどないですけどね。この今の状態がすでに幸せな状態なので。

ーー大澤さん自身も「個」を磨いているわけですね。

自分以外の誰かが輝くお手伝いをすることももちろん仕事で大事なんですが、まだまだ自分自身に磨きをかけることも大事だと思ってます。

しっかり自分ブランディングをこれからもやり続けて、ファッションを楽しく思ってもらえるような活動を続けていきたいと思います。

 


キラキラして見えるような職業であるファッションの業界ですが、その裏にはいろんな背景や想いが隠れているようです。

優しい雰囲気に包まれながらも、しっかりと強い芯が見え隠れする方でした。これから、さらに磨きのかかる大澤さんの活躍に大いに期待です。

 

スタイルカウンセラー 大澤もとこ

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