点取り屋が目指す次の舞台。三たびJ1の世界への挑戦。
常に脅威になるチャレンジを何度でも。
毎年恒例のFC今治の選手紹介!
5人目は、今シーズン加入した上の舞台を知る選手。前線からファイトし、ゴールも重ねる背番号13番FW内村圭宏選手です。
試合中は前線で何度もチャレンジする姿と、今治を満喫しているお話も満載、さらには家庭的な様子、古風な一面まで。余すところなくお届けします。
ぜひ最後までご覧ください。
やりがいのある場所へ
大分出身の内村選手は、大分トリニータでキャリアをスタートさせたのち、愛媛FCに移籍。さらにその後コンサドーレ札幌で9シーズンを過ごした、まさにJリーグを知る男。そんな彼の加入は、チームの力をさらに押し上げるに十分でした。1シーズンに二桁得点を何度も記録している選手の加入が今治の攻撃陣を活性化します。
ーートライアウトからFC今治に加入したと。
札幌との契約が終わってトライアウトに参加しました。FC今治という名前は聞いていましたし、トライアウト後に代理人から話を聞きました。
ーーあまり悩むことはなかった。
ん〜。どうですかね。現役を続ける上で、カテゴリーはそんなに気にならなかったんですけど、やりがいのあるチームにいければということは思っていました。
ーー愛媛にいたこともきっかけになった。
それもあるかもしれないですね。ゆかりのある場所だと頑張れる理由も一つ増えますしね。
もっと言うと、こんな素晴らしい環境で、上に上に行こうとしているチームはほとんどないと思うんですよね。そこでできるのは、実際話題にもなりますし、プレイを決断するのにそんなに悩みはしなかったですね。
ーー加入してみていかがでしたか。
まあほんとにいろいろ違うところがあって新鮮でしたね。相手チームの戦術もほんとに極端でいろいろあるなという印象でした。経験したことないなって感じでしたね。
ーーチームにはすぐ打ち解けましたか。
雰囲気は良くて、すごくチームの選手同士が仲良いなという感じでした。ぼく人見知りでどんどん入っていける感じでもないんで、みんなウエルカムで受け入れてくれて助かりました。
ーー意外に人見知りなんですね。
ですね。笑
今回の加入でベテランもいっぱい入ったので、それも馴染みやすかったかもしれないですね。
それと、みんな意識が高いなという印象はすごくありましたよ。JFLって聞くとそこまで練習とかも激しい印象もなかったですけど、本当に上目指しているんだなって感じました。
それでぼくもつられて頑張れるところはありますね。
ストレスはたまるが、もっと動いていく
カテゴリーも変え、環境も大きく変化した今シーズン。ここまではほとんどの試合に出場し、ゴールは7得点とまだまだ満足のいかない数字。それと同時に、フォワードとしての現在のストレスなども抱えているいうです。
ーー今シーズンの自身のプレイはいかがですか。
まあ全然満足はいってないですよね。いい点数はつけられないですね。
ーーそれはどういったところが。
もうちょっと点決めなきゃいけないですよ。毎年、どんなチームでも全試合出場と、1試合1ゴールを目標にしているので、今年も全然足らないですね。
ーーJFLのやり方にとまどうこともある。
それも少しありますかね。J3へいく資格があるチームが少ない中で、ぼくたちだけ「絶対にあがらなきゃ」っていうプレッシャーはついてまわるんですよね。
それは他のチームにはないことだと思うんで。そこで少し空回ってる部分もあると思います。
ーー今の状況もそれほど悲観的ではない。
そんな悲観的な気持ちはないですね。
そもそもずっと負けなかった前半戦でも楽に勝てた試合はなかったし、どっちに転んでもおかしくない試合も多かったですから。
五分五分のところで勝ってきたところがあって、それが今のタイミングに向こうに少し転がっただけですから。
ーーなるほど。
悪くなっているというわけではないと思うんですよね。
油断するなということですよ。ちょっとでも気を抜いたらやられるぞという気持ちで、もう一回成長するチャンスになっているんじゃないですかね。
ーー逆に今の状況を楽しんでいる?
いや、ぼくはもっと早くに決めて楽してやりたかったですよ。笑
でも、簡単にいかないのはわかっていましたし、難しいリーグなので。
こういう状況で、こんなチームで目標をぶれずに全力でプレーできることは幸せでありがたいなと思っています。
ーー内村選手は体が大きくないのに、せり勝ったり体の使い方が非常に特徴的。
体が大きくないので、フォワードとしてはその他の全部の技術で勝負しなきゃいけないので。そんな中で、トラップとか抜け出すタイミングとか、そういう部分で工夫しないと点取れないんですよね。
ーーオフサイドとの駆け引きも。
それもあるんですよね。実際今シーズン10回以上はオフサイドじゃないのにオフサイド取られてますからね!泣
ぼくのプレイスタイルだと、審判との勝負でもあるので、試合中はイライラしちゃいますね。
出さないように努力はしてますけどね。
ーーもう一つ気になったのは、ソックス半分くらいしか上げてないですよね。
いや〜これも昔からなんですよ。
実際あんまりよくないんですけどね、ずっと注意されてますし、Jリーグの時はあいつは要注意だってマークされてましたから。笑
ーー危なくないんですか。
そりゃ危ないですよ。笑
でも、締め付けられると暑苦しいんですよね。
スパッツと裸足でサッカーやるルールになればたぶんもっといいプレイができると思いますよ。笑
実は読書家で勉強熱心な一面が
単身で今治へやってきた内村選手。一人で自炊することもあれば、一人で飲食店にふらっといくことも。愛媛にいたこともあるため、松山などにも足を運ぶそうです。
ーー愛媛には以前にもいたことがありますが、今治での生活はいかがですか。
まあ比較的やることなくて暇してますね。笑
洗車したりしてるくらいです。笑
ーー単身で今治ということは自炊も。
してますよ。まあもちろん外食もしますし、オフ前にはふらっと軽く飲みに出たりもしますけど、家でもやりますよ。
外でお腹いっぱい食べようと思うとお金かかるじゃないですか。笑
だからそんなに毎日行かないんですけど、自炊もやってたら楽しいですよ。
ーーどんなところ行かれるんですか。
まあ練習きつくてあんまり出かけてないですけど、結構いろんなとこいきますよ。登泉堂にかき氷食べにいきましたし、カフェなんかも好きなので一人でふらっといきますし、焼き鳥屋にもふらっと行ったりしてます。
ーー一人で行動してるんですね。
多いですね。一時期は図書館にも入り浸っていろんな本読んでましたよ。当時は自己啓発系でしたけど、今は飽きて、プログラミングの勉強始めましたね。
将来はプログラマー目指してます。笑
ーーめちゃくちゃ意外ですね。
そうですか?ぼくはずっと故障を抱えてたりもしてるので、オフの日も体のメンテナンスとかに時間をあてるので、まとまった時間があんまりないんですよ。なので、細切れの時間はあってひまなんですよね。笑
ーーSNSもやられてないですし、他の選手のにも登場もしないですよね。
SNS嫌いなんですよね。笑
なんかその辺古風なところがあって、グラウンドで証明すればいいじゃんってなりますし、発信はメディアとかでもしてるからそれで十分でしょって思っちゃうんですよね。
ーー仲良い選手とかいるんですか。
園田のうちに呼んでもらったり、上原とか前のチームでも一緒だったし、あとは福田とか仲良いですかね。福田にはトレーニングとか教わったりしてますよ。
なんか、終わろうか〜って時に声かけてきて一緒にやろうって誘ってくれること多くて、ありがたいなと思いますよ。
ーー夢スタや、ファンについてはいかがですか。
夢スタはめちゃくちゃ雰囲気好きですよ。観客数とかはもちろんJのチームとは比べたらダメですけど、見晴らしとかピッチと観客席が近い感じとかいいですよね。
ファンの人もすごく暖かく迎えてくれますし、ありがたく思っています。
もっと運動量をもってチャレンジ回数を
下が迫ってきている中で、内村選手から出る言葉は「もっと自分が」という言葉。フォワードというポジションである人たちに共通する、自分がもっと決めれば勝てるという想いがずっと続いているようです。必ず昇格して、上のステージでもプレイすることを見据えています。
ーー残り試合が少なくなってきました。
まあ悪い流れも勝って流れをもう一回こっちにもってくるだけなんで。そのためにぼくももっと運動量を増やす必要があると思います。
ーーもっと運動量をですか。
そうです。さっき話したみたいに、オフサイドにかかることが多いと思うんですけど、その解決には自分がもっと飛び出すチャレンジを増やせばいいんですよね。
そこでもっとチャンスを作れるはずなんで、今よりもっと動き出して、みんなに見てもらってパスをもらえるようにするだけですね。
ーーそれでゴールを。
もちろんそれもですけど、起点になることもそうですし、自分の動きでなにか変わればいいなと思っています。
ーー勝ちにつながる働きですね。
JFLで戦っている中で、スキもいっぱい見つけることができたので、しっかり裏へ飛び出して、チャンスを作り続けるトライをすることがぼくの残り試合の役割だと思います。
ーーあと何点くらいいけますか。
どうですかね。取れるだけ取りたいですね。
ーーヴィアティン戦のようなゴールを。
あのゴールは会心でしたね。あういうスキをついて、しっかり決めきることを最後までやり続けていきたいですね。
ーーそれがJへつながる。
他の選手もそうだと思うんですけど、加入したのは2025年のJ1までっていうのが一つの目標でもあるので。その時まで切られないように頑張りますよ。
Jのトップレベルの輝きを知る選手。それが内村選手。
今治にきた今も、自分にできること、ゴールへの執着、ここからの成長。
その意欲は衰えることを知らないようです。
SNS苦手だという言葉もあるように、少し昭和感が漂う内村選手は、多くを語らず背中で見せてくれます。
力つきるまで走る彼の姿を追いかけましょう。