【コラム】支えたり、支えられたり（西坂玲加）

真夏到来！！

娘にとって初めての夏です。

海や川、プール遊び、花火大会など夏ならではの遊びや行事が楽しみで、わくわくします。

しかし、こうも暑いと疲れが出て体力を消耗して、体調を崩しがちですよね。熱中症には十分注意して、元気に夏を楽しみたいです。

先日、小児科での検診がありました。９～１１ヶ月の検診です。

９ヶ月で行ってしまったせいか、９～１１ヶ月での発達の目安となる動き、ハイハイやつかまりだち、手づかみ食べなどがありますが、いくつかの動きは出来ませんでした。

「まだ９ヶ月だから、気にすることはない。」と頭ではわかっていても、発達の早い子を見ると、羨ましく思ってしまう自分がいます。

かく言う私は、発達の遅い赤ちゃんだったというのに。

発達のスピードなんて、皆同じではないし、個人差が大きいのに、ついつい比べてしまいます。

しかし、親がそんなことをすると、子どもは辛いですよね！「そのうち、こんなにかわいいズリバイもハイハイもせんなってしまうんやけん、今の時期を楽しまんともったいないよ。」と、先輩ママに言われたことがあります。

娘の成長を穏やかに見守り、かけがえのない時間を過ごしたいと思います。

このように些細なことでも、気になると鬱々としてしまうものです。

感情を表に出すことを「感情表出」と言います。これがうまく出来ないとストレスが溜まってしまい、苦しくなってしまうのです。

毎日、のほほんと気楽に生きていけるわけではありません。

仕事、育児、家庭、お金、介護･･････、悩みはきっと尽きることがないでしょう。

脳の機能は外部からの刺激に対して、整理しやすいという特徴があります。だから、「今日はこんなことがあったよ。」と話すと、脳がその声を「聴覚の刺激」としてとらえ、今日の出来事や感じたことなどが自然に整理されるのです。

では、悩みがあったら、壁にでも向かって話せばいいのかというと、そうではありません。

いくら楽しいことがあって話していても、それを上の空で聞かれると、楽しい気持ちはどこかに飛んでしまいます。

例えば、「今日、娘がマンマって言ったよ！」と話すと、「すごい！うれしいね。」と返してくれたとします。

しかし、それがこちらを見ず、上の空で返されたとしたらどうでしょう。

言葉を返してくれても、本当は話を聞いていないのではないかと感じませんか？「あなたの話を聞いていますよ。」というのは、相手の目線や体の向き、表情などからも伝わります。

これが「視覚の刺激」です。

不安を感じたら相談したほうが良いと言いますが、なぜ良いのかというのは、感情表出ができるからなのです。

不安を一人で抱え込むと、どんどん暗い気持ちになってしまいますが、声に出すことで、聴覚の刺激を脳に送ることができます。

そして、その表出ができると、自分の話を聞いてくれている相手の表情を見たり、「わかるよ。」という同調を得たりすることができます。それが、安堵に繋がります。

自分では思い付かなかったことを言われたり、知らなかったことをアドバイスされたりすることで、問題解決や不安の解消ができるのです。

楽しいことや不安なこと、誰かに話を聞いてもらうと、きっと心が晴れやかになるはずです。

ちなみに、育児に関する相談は、子育て支援センターの「ばりっこ広場」や「ハルモニアのおへや」でできるそうです。

他にも、今治市発達支援センターでは、心身の発達に不安のある方を対象に支援を行っています。子育てや学校のこと、就職のことなどの相談に乗ってくれます。

今治市母子寡婦福祉連合会、通称「母子会」では、母子家庭の方が集まり、バス旅行や親子料理教室をしたり、いろいろな情報交換をしたりしています。

子どもの頃、親と一緒に母子会に行っていたという人に話を聞くと、「子どもの年齢層が幅広く、兄弟ができたみたいで楽しかった。特に、旅行が楽しかったよ。似た境遇やけん、変な気を使うことがなかった。」と言っていました。お世話役の「おばちゃん」に子育て経験談を聞く事もできるそうです。

相談というと、「相談というほどでもないし。」と躊躇したり、恥ずかしくなったりする人もいるかもしれません。

この間、子育て支援センターで、最近あったことなどの何気ない話をしましたが、ある人の一言で、私の抱えていた不安なことを解消でき、楽になったという出来事がありました。

このように相談でなくてもただ話すことで、外部からの何らかの刺激を受け、物事が良い方向に進むこともあります。改めて、月並みな言葉ですが、人は支え合って生きているんだなぁと思いました。

きっとこれからも、娘のことで自分のことで、いろいろと悩むのだろうと思います。誰かに聞いてもらったり、反対に誰かの相談や話を聞いたりすることで、ママとしても成長したいなと思っています。

西坂玲加

renica.badaabaans@gmail.com